越後中里駅に隣接するスキー場「湯沢中里スキー場」。東京から車で約２時間、電車では約１時間半でアクセスできる、湯沢にあるゲレンデだ。湯沢ＩＣからは１０分ほどの道のりは消雪パイプのおかげで道路の積雪は少なく、急坂もないのでアクセスのよさは折り紙付きだ。
コンパクトながらバリエーション豊かなコースがワイドにレイアウトされたゲレンデに、さまざまなアトラクション、無料駐車場や無料の大浴場も完備しているというところからも旺盛なサービス精神が伺える。そして、実は滑りごたえのあるパウダーの穴場としての評価も高い。今回は知る人ぞ知る湯沢中里のワイルドな魅力にも迫りたいと思う。
お子様連れのファミリーにピッタリのゲレンデ中央ゾーン
まず、ゲレンデレイアウトは８本のリフトが横並びに設置された横幅の広いスキー場。湯沢特有の入り組んだ地形が、それぞれのリフトにバラエティに富んだコースを与えていて、スキー場のバックにそそり立つ山々はどこか海外に来たような雰囲気さえ感じさせてくれる。リフトはゲレンデ内の谷間に架かっているものが多い。風の影響を受けにくく、リフト運休することがほとんどないというのもうれしい。
第３・第４ロマンスリフトからアクセスできる、幅の広くゆったりとしたコースは、ゲレンデの目の前に設置された電車型の休憩所“ブルートレイン中里”から眺める事もでき、休憩所の前にはソリなども遊べるキッズスペースも作られているなどファミリーにはピッタリな場所だ。また電車に向かって滑るということ自体、他のゲレンデにはない楽しみではないだろうか。ちなみに広大な駐車場も“ブルートレイン中里”を挟んでこのゲレンデに接している。階段の上り下りが無くゲレンデにアクセスするのが非常に楽だ。
ゲレンデ下部に新設されたマウンテンテラスはレンタル、スナック、ショップ、キッズサービスが一ヶ所に集まった施設で、キッズルームやママキミーキッズスノースクールのファミリーにうれしい場所から、自分自身でウェアやギアを選ぶことができるブランドバイキング方式を導入したレンタルサービスも行なっている。
クルージングからスノーパークまでスキルアップに最適な第５、第６ゲレンデ
ゲレンデ左方の第６ゲレンデ下部にはスノーパークが設置されており、ここは中里の隠れた名スポットと言ってもいいだろう。アイテム数こそ多くはないが、ゲレンデクルージングを楽しみながらパークに入り、ボックスやレール、そしてバックサイドヒップからフロントサイドヒップの繋ぎは初心者から上級者まで楽しめるサイズになっており自然と笑顔になれる場所だ。流れを大事にしたパークは左右にアイテムを繋いで行くスノーボードの魅力を上手く表現していて、パークのエントリー層からスキルアップしたい人、またパウダーフリークの方々にもオススメしたい場所である。
実はフリーライディング派も１日遊び尽くせるワイルドさが魅力
そして、中里の森の中にはまだまだ隠された名所が多数存在している。リフト数や標高差は少ないものの、東西南北、全ての方向へ向いている斜面。ツリーラン、パウダーライディングへのスキー場の理解が広く行き届いていることが中里のポテンシャルをグッと引き上げているようだ。
第１高速、第２ロマンスリフトからアクセスできる斜面は、オープンバーンの斜度の急なコースの他にも、起伏に飛んだ地形や程よく開かれたツリーランで形成されていて、どこから入ってもゲレンデに降りてくることができる。また、森の中や様々な場所にマッシュがちりばめられている所も魅力的で、何本もトライできる短めのリフトが楽しさをアップさせてくれている。リフトに乗り、斜面を見ながらスポットを探せる所もいい。パークはリフトから見えるところにあった方が良いとよく言うが、パウダーも地形や滑りがリフトから見渡せることで盛り上がり、幅広く豊富なラインのゲレンデと地形が1日中遊びつくせる場所を与えてくれている。また東西南北に向いた斜面は、日当りや風向きを読みつつ雪のコンディションの良いスポットを探すといった楽しみもあるだろう。
マッシュというと自然の地形で作られているように思ってしまうが、ここ中里では新しい試みとして、フリーライディングユーザへ向けて、地形を見極め、木を切るなどしてツリーランコースの拡張や積雪を想定してマッシュができるようにコース設計がされている。私自身、今まであったらいいなと考えていたことが、もう既にここでは行なわれている。短い距離だが何回も滑ることができるゲレンデに、起伏や地形に富んだ斜面。スキー場のアイデアが、今後の展開も非常に楽しみにさせてくれる。
「ファミリーだってパウダーを滑りたい」を実現できるコースレイアウト
ファミリーへの充実したサービスもある中里は、パウダーを滑りたいお父さん、お母さんボーダーにもオススメではないだろうか。ファミリー向けのゲレンデというとパウダーを滑れるような場所はなかなかなく、広い緩斜面のゲレンデが中心となってしまう。しかし、ここ中里はコンパクトに全ての要素が集まっているので、少しの間、子どもを預けておいて1本滑ろうとなっても、１０分もあればパウダーを満喫して戻って来ることができる。
ゲレンデで本格ピザに舌鼓。ゆっくり過ごすならピークタイムをずらして
軽食はもちろん、薪のピザ釜で焼くピザ屋さん「パオリーノ」。薪独特の自然な焼き味のピザが美味しい。メニューも豊富なので数枚注文してシェアするのも楽しい。店内には過去の中里のお洒落なポスターが貼られていたりする。木の温もりを感じられる店内の空間は、ゆっくりと過ごすことができるオススメの場所だ。週末は混雑するので、ピークタイムをずらして入るといいだろう。
コンパクトなゲレンデに秘められたポテンシャルを体験してほしい
アクセスも良くサービスも充実、パウダーにパーク、美味しいランチ。そして無料の大浴場も忘れてはいけない。滑った後に疲れた身体を癒して、帰宅すればより一層充実したスノーボーディングデイになることは間違いないだろう。
豪雪地帯の湯沢では1日に３０cmオーバーの積雪の日も多い。そんな気候にこの中里の地形とアイデアに富んだ環境がかみ合う日も多いのではないだろうか。コンパクトなゲレンデからは想像のできないポテンシャルを持った湯沢中里スキー場。ぜひ足を運び中里の魅力を満喫していただきたい。
湯沢中里スキー場についてはこちらから
モデル ： 藤田一茂 / 南雲達哉
フォト ： ALI
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