X-TRAIL JAM IN TOKYO DOME
今年もついにこの日がやってきた!365日のうちでこの唯二日間だけ、熱いスノーボーダー達が東京ドームに集う日である。
12月13日土曜日PM6:00、ドラマは幕開けた。それは「筋書きのないドラマ」まさにそのもの。
会場に着くまでに何人かの人達に聞いてみたところ、ダントツで人気No.1だった鈴木伯が、まさかのクォーターパイプ予選敗退。それも上部のキッカーで転倒してクォーターにエントリーできず、X-TRAIL史上最低の0点をマークした。(←どうもクォーターに入らないと得点がつかないらしい。)ある意味、塗り替えられることのない記録だ。ま、伯は明日のストレートジャンプで魅せてくれること間違いなしなので良しとしよう。
伯の予選敗退は、見ている私達すべてにとって、ドラマのプロローグにすぎなかった。本選、海外招待選手の登場とともにスタンドもヒートアップ。テリエの顔がスクリーンに映し出されると、もうドームの中の空気が歓声でびりびり振動していた。
このクォーターパイプセッション。スタンドに最も強く印象を残したのはライオ田原、といっても過言はないだろう。Final JAM SESSION最後の20秒、期待に違わずやってくれました、我らが大将、ライオ!! 上半身すべてを脱ぎ捨て、かっとびチャック、もちろんびたメイク!!!! その高さ5M40。観客を大歓声の渦に巻き込んだのは、言うまでもなく・・・ 愛息子ネオくんもこれには大喜び(?)でスクリーンに登場した。
大興奮のまま、ステージはSuper Finalへ。ハイレベルなセッションが続く中、とても調子の良かったライオが急に転倒。自分の足で立つこともままならない様子で係員に支えられながらも、さらに上に登る。大丈夫だったのかとほっとしたのもつかの間。また転倒。足を引きずるその姿に、もしや怪我?という不安を抱いた。それでも這うようにして、まだスロープを上がる。どうしてもう一度板をつけることができるんだろう? 意識の続く限り滑りつづけてやる、そんな叫びが聞こえてくるようだった。その姿がみんなの中に感動を呼んだ。スタンドからは手拍子が湧き上がる。会場のバイブレーションをひとつにして望んだこの日最後のジャンプ。ランディングすると同時に崩れ落ちた。その最後のジャンプにあわせてテリエが一緒に飛んできたのは、彼がそんなライオをリスペクトしている証拠だったんじゃないだろうか。そして、トラビスが表彰ステージでライオに、自らの冠をかぶせてあげたことも。みんながライオをリスペクトしていた。そう、ライオ田原は、表彰台に上ることは出来なかったが、今年から新設された「ハイエスト・エアー」をもぎ取って、テリエたちとともに表彰ステージに戻ってきていたのだ。心配した怪我はなく、生まれてはじめての酸欠!だったそう。リザルトは以下のとおり。
優勝:王者、貫禄の復活!テリエ・ハーコンセン(ノルウェー)
準優勝:必ずシャンパンファイトに参加してます!トラビス・ライス(アメリカ)
3位:X-TRAIL JAMニューフェイスにして!マルク・コスキ(フィンランド)
ハイエスト・エアー:”世界一高く飛ぶ男”ヘイキをも下して!ライオ田原(日本)/5M40
ちなみにアークティック・チャレンジへの出場権は、ライオと、テリエから直接その権利が譲り渡されたトラビスに決定。(トラビス、嬉しそう!!)
▼X-TRAIL JAM IN TOKYO DOMEの模様です。下記画像をクリックすると拡大して観覧する事が出来ます。
12月14日日曜日、ストレートジャンプの行われるこの日は、昨日にも増して会場の温度が上がっていた。すでに会場は興奮状態。照明が消えると同時の大歓声で2日目が始まった。
予選を終えた時点で、本選に残ったのは8人。ディフェンディング・チャンピオンのトラビスや、前日のクォーターパイプで優勝したテリエなど注目の選手たちが、本選リストの中からすでに消えているというくらい、予選からレベルの高いビッグなエアがドームを飛び交っていた。
そんな8人のうち、なんと4人が日本人!! 布施忠が堂々の1位抜けを果たしたのを筆頭に、シードの鈴木伯と山口睦生はもちろんのこと、SBNでも活躍してくれている平岡暁史が名を連ねていた。ちなみに、もう一人の日本人シード選手、安藤輝彦は競技前の紹介ジャンプにてサンタクロース姿でダイブし、会場を大いに沸かせてくれたまま、頭を強打してランディングに沈められてしまったらしい。競技には欠場とあいなったので、日本人シード選手はふたりとなった。(テリコブのビッグなジャンプを期待していたファンにとっては残念なことだったが、怪我はなかったということなので一安心)
さて、今回より本選はFinalがジャムセッションになり、かなり見ごたえのあるセッションとなった。スピンの回転数とスムーズさにかける選手もいれば、スノーボードは回転数ばかりじゃないと言わんばかりにばっきばきのメソッドやゆる〜い180、超しぶのシャッフルなんかでジャッジにアピールしまくる選手も・・・お互いにプッシュしあい、滑ることを楽しみまくり、競い合い、どんどんと上に上がっていくようだった。息をするのも忘れるくらい、スタンドで喜びまくった30分間。誰が抜けてもおかしくない、そんな状況の中でドキドキしながらリザルトを待つ。結果、Super Finalへの切符を手に入れたのは、ジャン・シメン、鈴木伯、DCPの3人だった。
異様なほどの盛り上がりの中で迎えたSuper Final。 中でも、日本人として唯一、そして3年連続Super Finalに残り、Super Final常連となった鈴木伯がスタートゲートに現れると、スタンドはオールスタンディング!伯コールとともに手拍子で会場が揺れた!! それに答えるかのように、みんなが見たかったキャブ900がクリーーーンヒット!!! 会場も、そして伯自身も大喜びだった。
は〜、思い出して一人で再び興奮。ちょっと落ち着いて、ストレートジャンプのリザルトをお伝えすると、
優勝:圧巻のBackside 900!ジャン・シメン(スイス)
準優勝:3年連続の準優勝、自分でも「奇跡的」とコメント!鈴木伯(日本)
3位:DCPスタイルで常に会場を喜ばせてくれました!DCP(カナダ)
そして、今年新設された「モースト・インプレッシブ・ライダー」には布施忠のSwitch backside 720が選ばれた。忠のビッグマウンテンスタイルもまじでかっこよかった。
これ以上ないほどの盛り上がりを見せたドラマは、優勝したジャン・シメンの「自分ひとりの力ではなくて、とにかくライダーみんなの力で盛り上がったんだ!みんなステージに上がって来い!!」との呼びかけに応じたライダー達みんなでのシャンパンファイトで幕を閉じた。
「現実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、また今年も、本当にいろいろなドラマがX-TRAIL JAMの歴史を彩った。
すべてのライダー、すべてのスタッフ、そして会場にきていたすべてのスノーボーダーにリスペクトっ!
追記:会場内で、赤いSBNパーカーの人を発見しました。着てきてくれた方、どうもありがとう!!!! とってもうれしかったです。
Reported by ウッチ−.
X-TRAIL JAM IN TOKYO DOME/SNOWBOARD-STRAIGHT JUMP&QUARTER PIPE-AND MUSIC SESSION
2003.12.13sat-14sun東京ドーム
▼X-TRAIL JAM IN TOKYO DOMEの模様です。