TRIP FOR REST Trip.4 CANADA/ALASKA
1 Roadtrip / 5 people / 54 days / 10,000 km / Life in the camps
#旅に出る>>>妄想
去年の4月末、前回のカナダトリップの終わり、
「来年はアラスカ行こうぜ。」
そんな会話をしたのを覚えている。
「スノーモービル持っていってキャンプしながら大っきい山滑ろうぜ。」
そんな事も言ってた。
あれから1年、その話は現実になり、真っ白な世界が目の前に広がっている。
現実味のない生活の中で、そんな会話を思い出した時、願いが叶っていた事に気が付いた。
自分1人では来れない場所。ここへ導いてくれた仲間に感謝したい。
リーダーの佐々木悠はカナダに7年間ほど住み、夏の間は料理人として働いている。
冬になるとプロスキーヤーとしてウィスラー近辺を滑っているが、この冬は雪不足でレベルストークへ行っていたらしい。
スキーもモービルもスキルアップして帰って来た彼の持ち前の実現力、執着心がこの旅を成功させたと言っても過言ではない。
そもそも車は彼の持ち物だし、カナダに住み着き、生活しているという力は大きい。
#左>>>佐々木らしい直線的なライン / 右>>>藤田が滑ったライン。どこでしょう?
今回の旅はHeart Filmsでの54日間のロードトリップ。
3月はカナダBC州を巡り、4月は、北へ。アラスカへ行こう。というもの。
トラック1台に3t弱のトレーラーを繋ぎ、男5人旅。寝ても起きてもずっと一緒、中々こんな事もない。
Valemount、Rocky山脈を抜けGolden、Whistler、Stewart、Yukonを抜けHainesへ。
実は他にもNelsonやCalgaryにも行っている今回。BC州の大半の街は通ったのではないだろうか。
カメラに残る約10,000kmの旅路の写真と、山積みにされた何千ドルものガソリンのレシートの山。
写真は見返したいが、レシートの額は知りたくない。
#綺麗なレイク。10,000kmの旅路に無数にある綺麗な景色。
旅にトラブルは付き物。なんてよく言うが、旅=トラブルと言っても良いくらいの旅だ。
保険には入った方が良い。
予想は出来る限りしなきゃいけない。
プランは変えなきゃいけない時もある。
そしてたまには諦める力も必要。
モービルが壊れても、車が荒野のど真ん中で止まっても、街まで100kmあっても、ベースキャンプが吹っ飛んでいても。
落ち込む前に諦める事。
落ち込むだけ無駄だ。
大体の物はお金を払わなきゃ直らない。
#Valemountでのベースキャンプ。数日後、撮影から帰ってくると風でテントは全滅。写真を撮る気すらなくなり、移動を決心する。
最初は苦労したベースキャンプ作りも後半にはスイスイ出来るようになった。
旅が始まりトラブル続きで行けないと諦めかけたアラスカも、しっかりと辿り着いた。
イメージして、計画して、実行して、成功して、またイメージする。
想像力と適応力。
旅に必要な物。
#at Golden。今年はオーロラに出会えた。
#旅に出た>>>現実
旅の目的は、行った事のない初めての場所でスノーボードをする事。
Heart FilmsのKEIJI TAJIMAはその出来事をカメラに収めている。
KEIJI TAJIMAもここカナダに住み、今年はHeart Filmsとして10年の節目の年を迎えている。
佐々木悠とKEIJI TAJIMAはカナダで生活を送っている事もあってかなり巧ましく、サバイバル能力、ローカルコミュニティへの溶け込み具合といったらものすごい。
僕らジャパニーズはそんな2人をカナディアンと呼んでいた。
どうやら僕らジャパニーズの常識はここでは通用しないらしい。
#写真を撮るKEIJI TAJIMAと氷河の上を滑る佐々木。
必要な物は全部持ったか?
スノーボード、モービル、テント、もう数えだすとキリのない荷物たち。
だが、不思議と配置も誰の物かも覚えていくものだ。
#Goldenでのベースキャンプ。トレーラーに暖炉をつけリビングに。寝る場所は各自テントで。今年は暖かくて過し易かったかわりに雪は少なかった。
ベースキャンプは試行錯誤の繰り返し。場所に合わせたスタイルにする。
最初のテントは風で吹っ飛んだが、Goldenのスタイルは良かった。
内装はやっぱり最終地Haines。2ヶ月の経験からスマート化に成功。
そして、そんなベースを構え、そこからスノーモービルで山に向かう。
朝、テントで日差しを感じながら、鳥の声で目覚めるのも悪くない。
#Hainesのベースキャンプ。後ろには大きな山。晴れている日は気持ちがいい。リビングもこの頃には無駄も削がれてシンプルに。裏庭には雪板のコース。目の前の道路ではスケートのダウンヒルも出来る。そして日が長く11時でもうっすらと明るい。
雪山に行って一番難しいシチュエーションは全く初めての場所へ行く事。
歩いて何も知らない山に入って行くのは難しいが、スノーモービルにも同じ事が言える。
山を調べるところから入るのが今回の旅。
ハイクの時の行動範囲とは比にならない範囲の山に入る事が出来るが、リスクも高く、集中力も必要だ。
モービルに乗るのは楽しいが決して楽な事ではない。
#Stewartの凍った湖。永遠と続くフラット。とりあえずモービルはアクセル全開。
スノーモービルはスノーボーダーにとっては乗り物ではない。
スノーシューやアイゼン、ピッケル、滑るまでのアプローチに必要な道具だ。
その道具を上手く使えるか使えないかで、滑れる場所も決まってくる。
エリアが広く雪の状態も様々、初めての場所では予測をさらに難しくさせる。
雪の良い場所を探す。雪崩は? あそこ良いけどどこから登る? いやーやっぱり登るの難しいわ。
そうもしていると滑れる時間と場所は限られるが、苦労した分、滑った時の喜びは大きい。
#マッシュ地獄やジャンプセッション。どこで何をするか決めるのが難しい。さぁどこから登る?
#時刻は18:00。頑張れば20:00くらいまで滑れる。
チャレンジ精神旺盛な自分は、転けマクリ。
初めての場所で初めての事を。テーマに近づくのは中々難しいが、面白い。
滑り出して数ターンはパウダー、狙ってるとこはカリカリ、飛んだらガリガリ、なんて事もアッタリ。
雪がどうだろうと始めての感覚を味わえる斜面を滑るのは面白いからいいんだけど。
先の見えない急斜面はほんとゾクゾクする。
スノーボードには中毒性がある。そんな話をしていた。
ヤバい所を滑ってる時の目の開きっぷりったらもう尋常じゃないと思う。
気を抜いたら命を落とす場所、そこにいたいわけではないけど、そこにしか無いものもある。
あんなにアガる事はないんじゃないのかな。
エクスタシーを感じるラインはそれぞれだけど、あんなにyeah!ってなる事は他にない。
まぁあくまで自分の中での話。
自分に近いスタイルを持っている小西隆文は長野の信濃町で家族と暮らしている。
信濃町いいな~なんて思ったりするくらい近い。雰囲気ゆったり、滑りばっさりな彼もHeart Filmsとして10年間カナダに通い続けている。
そんなスノーボード中毒の彼が行なっているパンピングダービーは最高おもろいイベント。
そして、キャンプ生活が終わってもお皿をティッシュで拭いてしまうほど、彼はまだWILDから抜け出せていない。
川口徹はここ4年ほどカナダとニセコを行き来しスキーをしている。
夏はCarpenterになるべく修行中。気配りの効く彼なら良い家を作りそうだ。
いつもバランスの取れた活躍をしてくる彼もヒタヒタに浸かっている。
#Haines最終日。天気はいいけど、いきなりモービルも壊れてインタビューday。気持ち良さそうに踊る徹。
#みんなで急斜面&リッジをハイクアップ。見た事のない景色が広がる。
キャンプ生活に慣れてしまえば特に苦労はない。
不便な事と言えば、家をイチから作らなきゃいけなくて、電波がなくて、水や電気に限りがあって、お風呂に入れない事くらい。
滑る場所は近いし、自然はいっぱい、たまにちょっと寒いけど、暖炉の火を付けるのも楽しめれば生活出来る。
不便を不便と感じず、たまにはいつもの当たり前を忘れてみるのも良いかもしれない。
そうなった時、新しい世界が見えてくる。
1Roadtrip / 5 people / 54days / 10,000km / Life in the camps
ロードトリップをしながらスノーボードをする。
文字にすると、ものすごく単純な旅。
#旅も終わり>>>未来
最後の夜は焚き火が気持ちよくてなかなか寝れなかった。
月が明るくて山が綺麗で、雷鳥やキツネがそのへんにいてさ。
今日寝たらこの景色も最後か~。寝るのもったいないな~。寝たくない~。
なんて子供みたいな事ばかり考えている。
ロードトリップの終わりはあっという間だった。
hainesから2,600km。
車が壊れて300kmくらいトーイングされても、大丈夫。
うちのカナディアンのサバイバル能力はすごい。
その晩はローカルとバーで交流会。
3日ほどでウィスラーまで帰る。久しぶりに見る緑が綺麗で感動した。
ぱぱっと片付けをして飛行機に乗ったらもう日本。
#このスタイルで300km引っ張られる。さすがCanada。トーイング代700ドルなり。
旅をしながら好きな事をして、新しい場所で新しい事に挑戦する。
2ヶ月間の旅で見た景色、場所ごとに全く違う人、街、山。
日本から来た自分たちなんてもっと違う。
お前らエスキモーみたいだな。なんて言われる事もあった。
生活も山も刺激たっぷり。
カナダやアラスカで見れる氷河や山は壮大で美しい。
日本では見れない景色。でも日本の神秘的な山が恋しくもなる。
オーロラは見れても、夕日と田んぼは見れないし。
BIG LINEはあっても、JAPOWはない。
どこにでも素敵な事はあって、その土地のスタイルを楽しむのが面白い。
生活も滑りもその土地にフィットした形に。
自分を解放して、後はリズムを感じるだけ。
最後の夜はアラスカが恋しかった。
アラスカの山はなかなか思い通りにさせてもらえない。
イメージが合わない。毎回、想像の大きさを超えてくる。
うぉー。うわー。まじかー。やばー。そんなのばっかり。
行きたいとこに行けないなんてよくある事。
まだまだだなーと思わされる事ばかり。
そんな新しい感覚はものすごく刺激的で、もう、瞳孔開きっ放し。
だからやめられない。
スノーボードに出会って、旅をするようになった。
旅を通してスノーボードの魅力が深化してきた。
日本だけにいた頃より、スノーボードを知っている。
日本の良さもカナダの良さも今だからわかる。
旅がスノーボードも生活も楽しくさせてくれている。
旅が終わった今。
日本を滑りたいな~。なんて思っている。
いや、スノーボード当分いいやなんて思っているかもしれない。
でも、アラスカ行きてーってすぐに言う事も分かっている。
色々なとこに行くのが好きらしい。
色々なことをするのが好きらしい。
スノーボードと旅。
どこまで行っても終わりがないから面白い。
さ。次はあそこか。
でも、たまにはじっとするのもありかな。
a TRIP FOR REST of my life
人生の旅。
全ては自分次第。
何を選んでもやる事は一緒。
自分に素直に生きればいい。
TRIP FOR REST Trip.4 Canada/Alaska の映像はコチラ
FORESTLOGのWEBサイトにも写真や日々の出来事をアップしています。
Text & Photos : Kazushige Fujita (FORESTLOG)
Rider : Takafumi Konishi / Yu Sasaki / Tetsu Kawaguchi / Kazushige Fujita / Heart Films Keiji Tajima
Spot : Canada / Alaska ( Valemount / Golden / Stewart / Haines )
FORESTLOG DESIGN Present SNOWBOARD TRIP PROJECT “TRIP FOR REST”
旅と切っても切り離せないスノーボード。「スノーボードと旅」をテーマに、映像、写真、文章でお届けするオンラインコンテンツプロジェクトが今作より始まりました。
日本・カナダ、世界各地を旅する中での体験、出会う景色や人々、その土地ならではのライディング、初めて見る景色、まったく異なる雪質、ファーストトラック。
ローカルには地元民ならではの山の冒険や、街から山へ向かう人にも、日本から海外へ行く人にも。旅する中で新しい物と出会い、仲間とのかけがえのない体験は誰にでもあるはず。
旅する事から味わえる体験は、きっと人生の新しい可能性を広げてくれる。そして、いつも新しい可能性を切り開くのは自分自身。
TRIP FOR REST 心に刻まれる旅へ出かけよう。
彼独自の目線から綴られるコンテンツが特設サイトにて定期的に公開されています
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