PSA HP in Nango with KSBA

15.16 PSA ASIA Snowboard Pro Tour round 5

2016/2/10 PSA ASIAプロツアー第5戦。

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会津高原南郷スキー場にて、PSA ASIAプロツアーのフリースタイル種目としては今シーズン初戦となるPSA HP in Nango with KSBAが開催されました。

過去に類を見ない深刻な雪不足と言われたシーズン序盤、幾つもの大会がキャンセルや日程変更、開催地変更を余儀なくされ、波乱の幕開けとなった15−16シーズンのプロツアー。

本大会開催地の南郷スキー場も多分に漏れず、厳しい積雪状況により年始早々営業を見合わせなくてはいけなくなるほどシーズン序盤の積雪量に悩まされました。

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しかし会津エリアに名を馳せる豪雪エリアの底力と、これまでにも全日本選手権やプロツアー等々、過去に幾多の激戦の舞台を造り上げてきた南郷スキー場パイプオペレーター、ディガーズ、パトロール、スタッフの皆さんの情熱と多大なる協力により本大会開催時までにメインパイプとセカンドパイプ、2本のハーフパイプが造雪されました。

今大会はKSBA(関東スノーボード協会)とPSA ASIAの合同開催となり、前日までメインハーフパイプ脇のフリーライドパーク内において、関東大会スロープスタイル種目が行なわれ、熱戦が繰り広げられました。

完璧にシェイプされたハーフパイプ、風はやや強めながら、所々に雲は見えつつもまぶしく太陽がひかる快晴と言えるグッドコンデション、まさに最高の大会日和と思える幕開けとなりました。

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男子公開練習が開始される時間帯までは…。

この日の天気は晴れ間を覗かせてくれる時間も時たまありましたが、予選開始から決勝終了までほぼ暴風雪と言っても過言ではないほどの強風と強烈な雪が降りしきり、強烈な寒さがオーディエンスや大会関係者を、また暗く先の見えにくい視界とスピードの乗らないコースコンディションが出場選手達を苦しめ続けました。

予選通過者の多くが10代〜20代前半という若い力の台頭が目立つ中女子は萩原選手、男子は小元選手&酒井選手といった長年培ったキャリアの中で磨き上げた燻し銀のスタイルを持つ選手達が確実に実力を発揮し、若手選手達に混ざって決勝へ駒を進めました。

ファイナリストは男子12名女子6名で、2本のファイナルランのうちベストの得点が採用されて順位が決まります。

決勝の時間帯になっても回復の兆しを見せない強風と、相変わらず強く降りしきる雪のため、視界不良のとても難しいコースコンディションの中、接戦を制した女子選手はなんと小学6年生で、もちろんプロツアー初優勝となる小野光希選手(スノーウ”ァ溝の口)。

小野選手は女子選手としてはかなり珍しいスイッチエントリーからファーストヒットにキャブ720と言う高回転トリックをチョイス。さらにフロントサイド540、バックサイド540、フロントサイドエアーまでをクリーンメイクして、やはりフロントサイド540等をクリーンメイクして表彰台に登った本多未沙選手(スノーウ”ァ溝の口)、覚張美咲選手(JSBA)を大きく引き離し、ファイナル1本目のランで優勝を決めました。

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優勝 小野 光希

2位 本多 未沙

3位 覚張 美咲

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表彰式後、ゴーグルを外した小野選手は、あどけなさが残る少女の表情に戻っており「ファイナルではドロップから板をしっかりと踏んで、全てのトリックが綺麗につながるように心掛けました」と、じゃじゃ馬娘を想像させた躍動感のあるランとは打って変わって、大人顔負けの模範的なコメントを少し恥ずかしそうに語ってくれました。

若き天才ハーフパイプヒロインの誕生に南郷スキー場が沸きあがりました。

 

また女子ファイナルと同様にボトムからトランジション内に降りつもった雪が板の滑走速度を激しく減速させ、視界不良によりスタートするタイミングさえも難しいコンディションが続く中、男子のファイナリスト達も果敢にビッグトリックに挑みました。

スピン中に頭が下になるダイナミックなフロントサイドロデオ900をファーストヒットからクリーンメイクし続けていた戸塚優斗選手(YONEX)が2位、今大会中唯一ファーストヒットからセカンドヒットでフロントサイド900からバックサイド900へとつないで見せた今井心求選手(GRAY/林ワックス)が3位。

そんなハイレベルな接戦を制したのは、ファイナル1本目では得意のルーティンを決めきれず、追いつめられた2本目のランでは出場選手中最も長いアプローチをとり、トップスピードから放った渾身のフロントサイド1080をクリーンメイクして、その後キャブ720、フロントサイド540へと全てのトリックを誰よりも高くクリーンにつなぎ、文句無しのハイスコアを叩き出した昨年のプロツアーフリースタイルランキングの覇者、吉田景風選手(KISSMARK)。

表彰式後、吉田選手にファイナルラン直前の心境を聞くと、
とにかくプロとしての滑りをしてやろうと思った。

転んでも良いからみんなの心に焼き付くような。

「昔のいっちゃんみたいにね」と、昨シーズンの怪我によりツアーからの戦線離脱を余儀なくされている筆者藤沼を気遣う余裕さえ感じさせる大人のコメントを残してくれました。

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優勝 吉田 景風

2位 戸塚 優斗

3位 今井 心求

4位 口寸保 頼央

5位 大塚 玲央

6位 大古場 蓮太

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今大会中最も会場を沸かせた元天才キッズライダーは、ワールドカップ転戦など数々の経験を重ね、日本を代表するトップライダーへと成長していました。

小野選手と吉田選手、悪天候と言う難しいコンディションの激戦を制し、現時点でのフリースタイルランキングトップを走る二人のチャンピオンと、彼等を追いかける日本のトップフリースタイラー達が繰り広げるPSA ASIAプロツアーから今後も目が離せません。

次回開催されるPSA ASIAフリースタイル種目第2戦は2月24日に岐阜めいほうスキー場で開催されるMBA5です。

ストレートジャンプ日本一を決めるこちらの大会も要チェックです。

どうぞお楽しみに!!!