NISSAN X-TRAIL Nippon Open 2008

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NIPPON OPEN 2008 FINAL

NIPPON OPENのSUPER PIPEファイナルはここ数年いつも晴れ。
どんなジンクス?

一昨年、昨年ほどのピーカンではないが、前日の吹雪が嘘のようないいお天気。多少雲があるおかげでパイプのコンディションも良好。やっぱりこのSUPER PIPEの造形は格別に美しい。

荒天によるスケジュール変更のため、前日に開催されたSUPER PIPEのセミファイナルを見て気付いたがショーンがいない。膝の調子が良くないらしく帰国したそうだ。そうなると優勝争いも混戦模様か?
実際、日本人選手と海外選手の実力は拮抗しているように見える。そろそろ表彰台の真ん中に日本人選手の姿を見てみたいが…。

女子8名、男子16名によるファイナルが恒例の花火とともにスタート。
3RUNのベストポイントで争われる。

まずは女子。
日本人ではシードの山岡聡子はやはり安定したルーティン。高さも出ているし、技のつながりも申し分ない。さすがシード。
そんな中、ノンシードの大倉慶子はセミファイナルでは高さとスピード感溢れるライディングを見せ、なみいるシード選手を押し退けて3位でファイナルに駒を進めた。公開練習中も調子がよさそうだったため観客の期待も高まる。
しかしファイナルでは、プレッシャーなのか連戦による疲労からか、セミファイナルの時のようなキレがない。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところなので今後に期待したい。
女子に関しては、今年のWINTER X-GAMEで1位のグレチェン・ブレイラー、2位のトーラ・ブライトの勝負となるだろうとの下馬評。しかしトーラはセミファイナルまさかの7位でファイナル進出。どうした昨年のチャンプ?!
だが、始まってみればやはりこの人魅せてくれる。1本目からF540→マックツイスト→トゥ・フェイキー→CAB720→F540→締めにバックサイドのリップでスラッシュ!かなりしびれた。スピードよし、技のキレよし、最後のスラッシュは、まるでサーフィンのバックハンド・スラッシュを彷彿とさせる。
予選トップのグレッチェンは、1stエアからF900!しかし若干着地が乱れてスピードダウン。それでもトゥイーク→クリップラー→B540とつないでトーラを追う。
2nd RUNを失敗したトーラだが、2nd終了時点での暫定順位は1位トーラ、2位グレッチェンのまま。
3rd RUNではトーラは同じルーティンを更に完成度を上げてフィニッシュ、後続を引き離しにかかる。逆転を狙うグレッチェンは、ルーティンを変更し1発目に高さのあるクリップラーを繰り出し、バックサイドエアから3発目にF900!しかしやや乱れて続くB540→F540でフィニッシュ。
women02▲左)Gretchen Bleiler (USA) 、右)Manuela Laura Pesko (SUI)

結果は、独特のルーティンで安定感を見せたトーラ・ブライトが逃げ切りの優勝。高さとスタイリッシュなトリックで見せたグレッチャン・ブレイラーが2位、堅実なルーティンをこなしたマニュエラ・ルーラ・ペスコが3位となった。
women01
▲ Torah Bright (AUS) ROXY

◆WOMEN’S SUPERPIPE
1 Torah Bright (AUS) ROXY
2 Gretchen Bleiler (USA) OAKLEY
3 Manuela Laura Pesko (SUI) FTWOsp_women
続いて男子。
これは、アツイ!セミファイナルから見ていると、勝ち残った16人のライダーにはみんなチャンスがあるんじゃないかと思わせるほどのメンツだ。

まず1st RUNの熊崎圭人は、スイッチエントリー、CAB1080からF900→トゥイーク→F720→アーリチャックとかなりの完成度。この16歳はヤバい!村上大輔もめちゃ高いF1080やテールグラブの入ったF900、メランコリーのトゥ・フェイキーはノーズポークしてスタイリッシュ。他にも回転数こそ多くないが高さと独特のスタイルが印象的だった藤沼いたるや、工藤洸平や藤田一海らのヤングジェネレーションなど注目のライダーも多かった。しかし、この日キレキレだったのがキア・ディロン。バックサイドから高いアッパー900!F720→CAB720→F900と決める。ランディングもほとんどリップに近い位置でスピードロスもない。かなりの高得点が出そう。注目の國母カズはというと、ドロップインからでかいB540を見せたかと思うと続くバックサイドエアでバランスを崩してしまう。スピードの乗らないままフロントサイドエアで諦めたかのように見えたが、バックサイドのリップ上を5mもスライドする特大のレイバック!もしかして余裕?それともなんか狙っているのか?
2nd RUNまでは波乱無く進み、暫定順位は1位キア、2位熊崎のまま。
しかし各ライダーともに3rd RUNに仕掛けてくる。村上はF1080→ハーカン→F900→B540と決めてガッツポーズ!暫定1位のキアはノープレッシャーなのかバックサイドアッパー900→F540→アッパーデッキ→F900→バックサイドエア→アーリ720とほぼリップtoリップで決める!残すはカズとヤンネ・コルピのみ。カズ、ドロップインからB540→F1080デカイ!→CAB720→F720→CAB720でフィニッシュ!場内から歓声があがる!!そして最後のライダーはヤンネ・コルピ。スイッチからCAB10→F1080→CAB720→F900→B540→アーリウープロデオとまとめてきた!高さ自体は驚くほどではないが完成度は高い。どうなる?

men02▲左)Janne Korpi (FIN) 、右)村上大輔

結果は、1位は終始ビタビタだったキア・ディロン。2位は、最後にでかいパフォーマンスを見せてくれた國母和宏。3位は1080コンボなど高回転スピンの安定感が秀逸だったヤンネ・コルピ。会場を沸かせた村上大輔は惜しくもコンマ数ポイント差で4位となった。
▲Keir Dillon (USA)

◆MEN’S SUPERPIPE
1 Keir Dillon (USA) BURTON
2 Kazuhiro Kokubo (JPN) BURTON
3 Janne Korpi (FIN) KISSMARKsp_men

今回のNIPPON OPEN、特にSUPER PIPEファイナルは男女ともに間違いなく見ごたえがあった。冷えた空気と暖かな日差し、グッドシェイプのパイプ、ぎっしりと詰め掛けたオーディエンス、そして眼前で繰り広げられるハイレベルでハイテクニックな戦い。会場もどよめきライダーたちも熱くなった。

満員のオーディエンスを反応を見て改めて思ったことがある。たとえ、トリック名や回転数を判別できなかったとしても、高さ、速さ、そして美しいスタイルは多くの人を魅了する。まさにそれを実感した大会だった。
men03▲謎のマスクマン 実はBURTONホシザキ社長

 
RAIL JAM
大会5日目、金曜日。
アルツのスタジアムパークに出現した特設セクションでRAIL JAMが開催された。コース上部にはストレートレール、そしてギャラリースタンド前のキッカーには、打ち上げ式のキャノンボックスが設置された。ギャラリーから近いこともあり、見せ場はやはりキャノンボックス。山口睦生がスピン・イン〜スピン・アウト。さすがスピンマスター。Park Style1位のミッケル・バンが魅せる!キャノンボックスからの伸身のフロントフリップアウト!テディ・クーはオシャレにトゥイークアウト。天池いづみはスイッチエントリーを繰り返す。石田貴博は、キャノンボックスのリップまで滑ってリバースなど飛ぶだけがスノーボードじゃないぜとスタイルを見せる。2月の頭に開催されたキッズの大会(インディパークジャム)で優勝した鬼塚みやびちゃん(小3)が、大人に混じって攻める。キャノンボックスの端からランディングまではかなりの高さがあるが、余裕で飛び抜ける。
見ていて飽きないセッションが繰り広げられていたが、突如横殴りの吹雪に!会場は視界不良と強い横風で競技中断してウェイティング。しかし回復が見込めず残念ながらそのまま終了となった。
わずか20分ほどだったが、密度の濃いセッションだったことは間違いない。

優勝は男子がミッケル・バン、女子がジェイミー・アンダーソン。
表彰セレモニーの終了と共に、アルツの上空を色とりどりの花火が飾った。

jam01▲RAIL JAM

jam02▲RAIL JAM

KIDS JAM

SUPER PIPEのファイナル終了後に、最終競技となるKIDS JAMが開催された。
率直な感想。ヤバイ!ここ数年KIDS JAMを見ているが、きっちりリップを抜けて540以上をメイクするKIDSはそうそういなかった。しかし今回は10名以上がリップを抜けてくるし、高さだって大人顔負け、スピンも900までメイクする。解説のヅマン(朝妻純子)が「この時代に生まれなくてよかった」とコメントしたが間違いなくリップサービスじゃないだろう。
勝ち負けばかりがスノーボードではないが、成功してガッツポーズをする子の陰で、失敗して本気で悔しがる子もいて心撃たれた。それだけ真剣なのだ。
結果は以下の通り。

◆KIDS JAM
1.Taku Hiraoka (JPN) SALOMON
2.Eiju Hirano (JPN) BURTON
3.Ayumu Hirano (JPN) BURTONkids

2010年の冬季オリンピックで、彼らの名前が登場したとしてもなんら不思議ではない。SUPER PIPEのプラットフォームから間近に見上げた彼らの姿には、世界のビッグゲームで戦っているであろう未来の姿が見えた気がした。

kids01▲平岡 卓(JPN)

kids02▲KIDS JAM

その他のリザルト
◆MEN’S PARK STYLE
1 Mikkel Bang (NOR) BURTON
2 Kazuhiro Kokubo (JPN) BURTON
3 Jaakko Ruha (FIN) KISSMARK ◆WOMEN’S PARK STYLE
1 Jenny Jones (GBR) BILLABONG
2 Jamie Anderson (USA) SALOMON
3 Izumi Amaike (JPN) FLOW
大会概要

■名  称:NISSAN X-TRAIL Nippon Opne 2008 SNOWBOARDING CHAMPION SHIPS
■日  程:2008年2月26日(火)〜3月2日(日)
■場  所:アルツ磐梯(福島)
■賞金総額:U.S.$136,600(約1,600万円)
■主  催:ニッポンオープンスノーボードチャンピオンシップ実行委員会
■特別協賛:日産自動車株式会社(X-TRAIL)
■協  賛:BURTON、アルツ磐梯、Red Bull、MALIBU、Go211.com
■後  援:福島県、磐梯町、テレビ大阪、J SPORTS
■協  力:Excite
■OFFICIAL SITE
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