先週末、4/2(土)4/3(日)群馬県・谷川岳 天神平スキー場で「MINAKAMI VIBES 2016」が開催された。2日間にわたって参加したこのイベントで感じたことをレポートとともに伝えたいと思う。
まず始めに驚いたのがアイテムの完成度だった。今シーズン3月・4月に開催予定だった様々なイベントが雪不足によって中止になるなか、4月の上旬という都内でも桜が開花するこのタイミングであるにも関わらず、ここ天神平スキー場には素晴らしいアイテムが造設されていた。異例の3月中旬からスキー場の雪を集める作業が進んでいるという噂だったが、ここまでの雪をかき集め最高の舞台を用意してくれた水上ディガーズの団結力と、スキー場の協力体制の素晴らしさをいきなりわからされた。昨今人気を集めるボウル&バンクイベントだが、MINAKAMI VIBESがこの2日間で集めた集客数も半端ない。オフィシャルの集計結果によると、今年は昨年を上回る2日間延べ1,063名がエントリーしたようだ。それもそのはず、このイベントの魅力は “行けば誰でも楽しめる最高のアイテムが用意されている” からであり、レジェンドライダーからキッズまで幅広い年齢層がレベルを問わず一同に楽しめるイベントだからなのだ。
今年のメインアイテムは上から見て3つのラインがあり、ひとつは中央に存在するまるで大きなハーフパイプのような形状にバンクがミックスされた複合アイテム。スピードを出しながらGを感じ、大きく3ターンくらいでエンドボウルへ向かうもよし、バンクや地形を拾いつつゆっくりとターンしながらエンドボウルでスタイルを入れるもよしと終始一番人気のラインだ。
このアイテムの右側にはキッカーやスパインも用意され、イケイケなライダー達は、チョッカリでスパインへドロップし、空中時間のだいぶ長いビックジャンプでスタイルを繰り出し会場を湧かしていた。
そして一番左側には大きなバンクが5つ連なりエンドボウルへ繋いでいくライン。スピードをつけて、エンドボウル手前にあるRの切り立ったところでパイプのように飛ぶライダーも数多くいた。
実はこのライン、エントリー時に左のハーフパイプ方向へ向かうと壁があり、そのラインをみんなで滑るうちにバンクドスラローム的なNEWラインが自然と作られていて隠れた人気を集めていた。他にもバンクを使ってトランスファーから隣りのバンクへドロップするなど遊び方は無限に存在する。
そして今年はクラシックパイプも用意され、このパイプに一度入るとやみつきになってしまうという、実は裏でかなりの盛り上がりを見せる存在になっていた。
このように複数アイテムとラインが存在したため、2日間待ち時間も少なくスムースに遊べることができた。また印象的だったのが、キッズがドロップすると大人は見守ってあげるルールがあること。MCもキッズ優先と呼びかけ、子供達も安全に楽しんでいた。このように参加した人誰もがFUNに楽しめるこの空気感があるからこそ、子連れファミリーも多くエントリーし世代を超えたイベントになっていることは言うまでもない。
そしてもうひとつ感じたことは、このようなボウル&バンクのカルチャーが様々なスノーボーダーにだいぶ浸透してきたということ。昔はライダーセッションのイメージが強かったが、今では年々一般の参加者も増え、このスタイルの遊び方が日本のスノーボードシーンへ大きな影響を与えていると感じた。
「こんなシーズンだからこそ、できるだけ雪をかき集め最高のイベントにしたかった。雪が少なくてもイベントはできるってことを伝えたかった」と話していたプロデューサー&MCの勝山 “ノリ” 尚徳。
大人から子供まで楽しめるアイテムと空間をつくりあげ、スノーボーディングの楽しさを次世代へ伝えていくこのイベントには、水上ローカルやライダーを中心に多くの関係者のアツいVIBESが凝縮されていた。だからこそ、様々なスタイルのライダーが集まり世代を越えた “春の祭典” として定着し継続しているんだとイベントのタイトルでもある「MINAKAMI VIBES」をリアルに感じることのできた2日間だった。
水上ディガーズ、スタッフ、関係者の皆さんお疲れさまでした。
BIG RESPECT!