2015年2月28日「白樺湖ロイヤルヒルスキー場」
PSAプロツアーのハーフパイプ種目としては今シーズンの初戦となる「KSBA Halfpipe Pro Session in Royal Hill」が開催されました。
今大会はKSBA(関東スノーボード協会)とPSA(プロスノーボード協会)の合同開催となり、翌日に行なわれる関東地区大会に出場する多くのアマチュア選手も出場する大会になり、若手選手からベテラン選手が集るイベントになりました。
また、これまでにも地区大会や全日本選手権大会が行なわれ、幾多の名勝負を生みだした同リゾートではありましたが、重機のトラブルによるハーフパイプ造設の遅れにより、当初予定されていた開催日時より一週間遅れての開催となりました。
そんな波乱の幕開けとなった今大会ではありましたが、富澤貴博プロ(サロモン)率いるロイヤルヒルディガーズが用意したハーフパイプコーススペックは高さ5,5メートル、幅17メートル、長さ100メートルという立派なコースとなり、多くの選手が4ヒット〜6ヒットでルーティンを構成していました。
開催当日は1日中、太陽の光がハーフパイプを照らし続け風も無い快晴となり、選手やオーディエンス共に過ごしやすい抜群のイベント日和となり、予選からファイナルまでテンポ良く進行されました。
予選では大きなエアーと完成度の高いスピントリックをクリーンメイクしてハーフパイプのエンド部分までつなぎきった、男子12名、女子6名の選手が決勝へと駒を進めました。
女子ファイナリストは大きなエアーやフロントサイド540、バックサイド540、フロントサイド360、キャバレリアル、ゲイツイスト、中には3D軸のロデオ720まで繰り出し、熱戦をさらに熱いものとしました。
そんななか最もハイスコアをたたき出したのは、過去にスノーボードクロスのレーサーとしての顔も持ち合わせたオールラウンダー玉田貴ら(OGASAKA)。
大きなエアーからバックサイド540とフロントサイド540をクリーンにつなぎ、ラストヒットでも他の追随を許さんない大きなバックサイドエアーを決めて、プロ戦初優勝を飾りました。
レース仕込みのカービング技術をいかしたキレのあるボトムランから生み出されたハイエアーが勝利へとつながったという印象でした。
表彰式後の勝利者インタビューでは、自身の初優勝を満面の笑みで喜びつつも、今大会へ出場しなかった強力なライバル達も出場してくると予想した次戦に備え、すぐにハーフパイププロ戦の開催地である高鷲スノーパークへ移動して練習したいとコメントしていました。
女子リザルトは
男子ファイナリストは女子ファイナリスト達が繰り出したトリックに加えて、フロントサイド720、キャブ720、ハーコンフリップ、フロントサイド900、フロントサイド1080などが繰り出され、それらのトリックをフラットスピンで回転、または3Dのコーク軸で回す等、華やかなトリックの連発がオーディエンスを沸かせました。
そんな熾烈を極めた男子ファイナルを制したのはハーフパイプワールドカップ転戦の経験を持ち、1月にMBA(めいほうビッグエアー)でも優勝して今シーズン絶好調の吉田景風(kissmark)。
大きなバックサイドグラブのエアーからフロントサイド1080メロン、さらにキャブ720ミュートからロデオ540トラックドライバー、ラストヒットの大きなバックサイドテールグラブまで全てのトリックで非の打ち所がないクリーンメイクをみせつけ、文句無しの優勝を決めました。
優勝後の勝利者インタビューでは快晴の中、自分のやりたいと思っていた滑りが出来て嬉しかったと、自身の今シーズン2勝目を嬉しそうに語りつつも、高鷲スノーパークでのハーフパイプ種目次戦出場への話を振られると、場所が変わってハーフパイプが変われば出来る事や戦い方も変わると思うが、なにかを狙う訳ではなく自分の滑りをしっかりやりたいと思うと、力強く語ってくれました。
男子リザルトは
1 吉田 景風
2 今井 心求
3 岡本 航
4 木俣 椋真
5 堀口 悠人
6 高橋 巧
次回のPSAプロツアーフリースタイル種目は3月17日〜18日に岐阜県鷲ヶ岳スキー場で行なわれる「Washigatake Slopestyle Session」。
そしてフリースタイル種目としては今シーズンの最終戦となる3月18日〜19日岐阜県高鷲スノーパークで行なわれる「Takasu Superpipe Session」へと続きます。
次戦もMCブース横よりUSTREAMチャンネルPSA ASIA TVよりライブ配信予定です。
観覧無料ですのでぜひスキー場へと足を運び、生のトッププロの妙技に酔いしれてください。