Keir Dillon

2014-10-19_0013

このインタビューが行われたのは3月9日、苗場でのCore-Xの初日。クオー ターパイプの公開練習の後、部屋を訪れると、キアは「ヨーロッパから直接来たん だ。洗濯物がたまって大変」と相変わらず忙しそうな様子。「明日に向けての意気込 みは?」と訪ねたら、「転びたくない」と笑って答えていたけど、翌日はとびっきり のハイエアを連発して優勝をかっさらっていきました。アグレッシブなライディング とは裏腹に、実は高所恐怖症だというキアの貴重な話がたくさんつまったインタ ビュー、I hope you enjoy it! -keyhole

 

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ー最初にスノーボードを始めたきっかけを教えてくれる?
僕が生まれ育ったのはペンシルバニアの小さい田舎町。
4才からスキーを始めて、たぶん11才のころだったかな、何か新しくもっと楽しいも のを、と思っていた時にスノーボードに出会ったんだ。僕より年上の友達が2人いて、彼らがいつも大会を見に連れて行ってくれてたんだけど、そのうち皆して自分たちも出るようになって。毎年上達していくうちに、各地の大会を廻るようになったんだ。
ーバートンにスポンサードされるようになったきっかけは?
16才の頃、もう7年前になるのか、年取っちゃったなあ(笑)。アトランティックシティというところであったトレードショーに行って、バートンの代理店の人に乗ってみないかと勧められたんだ。そこから全てが始まった。
ーキアが94/95のバートン、ツイン139に乗ってたの、覚えてるよ。ソールに女の子の 顔がふたつ描いてるやつ。
あれがその代理店の人が僕にくれた最初のボードだったんだよ。大好きなボード だった。

ーそれにしても139cmは短すぎない?
いや、僕すごく小さかったんだよ。16才の頃で158cmかそこらしかなくて。その後に身長がぐんぐん伸びた
ー一緒に滑っていて楽しい仲間は誰?
友達のルーク、ジョン・サマース、トレヴァー・アンドリュー……しょっちゅう 一緒にトリップに出てる奴らばかりだけど……一緒にトリップに行く仲間とはいつも楽しく滑ってるよ。一緒に流して滑るだけで楽しい。

ージョンは去年からアライアンチームになっちゃったけど、今でもしょっちゅう一緒に滑ってるの?
去年はあまり会う機会が持てなかったけど、でも僕たちはとても近い友達だし、ハングアウトする時間がたくさんあろうとなかろうと、そんなに問題じゃないんだ。

ー今はどこで滑ってるの?
今シーズンはカリフォルニアのマンモスマウンテンに引っ越したんだ。でも、まだ実は2週間くらいしかすごしてない。

ーええっ?
もう少し落ち着いて滑る時間が持てると思ったのに、忙しくてなかなか家に帰れないんだ。でも、今の僕の家があるのはあそこだし、ついに西海岸に引っ越してくることができて、うれしい。去年まではペンシルバニアの実家にベースを置いていて、基本的にスーツケースに住んでいたって感じ(笑)。でも、春になったらマンモスでゆっくり過ごしたいな。
ー今年からゴーグルのスポンサーがElectricになったんだよね。
Arnetteがふたつに分かれて、その片方のうちの半分の人たちがVon Zipper、その半分がElectricを始めたんだ。僕と仲の良かった人たちが何人かElectricに来たから、僕もこの辺で新しいことを始めてみようかなと思って……ピーター(ライン)もいたし。

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ーところでジョン(サマース)も言ってたけど、キアってなんでも競争にしちゃうっていうのは本当なの?
はは、うん。もちろん一緒にいる相手にもよるけどね。ジョンや友達のルークなんかと一緒にいるときは、例えば車に乗るときに誰が一番に乗り込むか、滑ってるときなら誰が一番先に下まで降りれるか、とか馬鹿馬鹿しいことだって、なんでも競争にしちゃったりするよ。そうすることによって生活をもう少しだけ楽しくする。もち ろん本気でやるんじゃないよ、全て遊びさ。生活にちょっとだけ味付けをするという意味で。皆が皆そんなやり方が良いというわけではないから、相手によるけど。
ーで、最近はギャンブルにも凝ってるってわけ?
ギャンブルに関しては、単にお金もうけをしようとしてるだけ(笑)。
ーこれまで勝ったことはあるの?
去年ラスベガスで12,000ドル(150万円近く)勝ったよ。
ーええっ! そりゃすごい。何で?
ブラックジャック。他にも何回か勝ったことあるよ。もちろん大負けしたこともあるけど。
ーベガスでは、大きな金額を勝ったらすぐにセキュリティとか来て囲まれちゃうって 聞いたことがあるけど。
それはもっと大きい金額を賭けて勝った人が対象だと思うよ。僕はもともと賭けた金額も大したことなかったし……でも、ホテルの人が僕の部屋までおめでとうを言 いに来て、ホテル代も全部無料になったからクールだった。高いホテルだったし。僕はたいていそんなに賭けないんだ。500ドル賭けて、負けたらそれで終わり。あれはラッキーな夜だったね。
ーキアはバスケットが上手いらしいけど、他にもやっていたスポーツってあるの?
スケートボードくらいかなあ。小学校、中学校とずっとバスケットをやっていたんだ。でもある程度から上達しなくなって……だから、バスケットの選手になることは憧れに終わってしまった。でも、今でもいつもやってるよ。他にクリフジャンプとか、サーフィンとかウォータースポーツは楽しいね。後は、チェスとか、家の中でや る遊び。でも、基本的にビーチでのんびりってのが僕が一番好きなことかな。

ーどこのビーチがお気に入り?
1、2年前に行ったハワイはどこもキレイだった。将来住んでもいいな。

ーバンジ-ジャンプはやったことある?
ニュージャージーで30mくらいの小さいのならやったことあるよ。でも僕には1回で十分。友達がスカイダイビングに行こうっていつも誘うんだけど……あんまり乗り 気じゃない。僕高所恐怖症だから。
ーえっ! スノーボードではあんなにいつも高く飛んでるじゃない?
 スノーボードとああいうものでは違うんだ。ビルの屋上とかに立ったら怖くて動 けなくなっちゃうよ。でも、滑って飛んでる時は、ただ無心でやってるだけ。

ー日本で体験したおもしろいことは?
う~ん。これはちょっとインタビューに入れられる内容かどうかわからないけ ど、トレヴァー・アンドリューと六本木で○○○して、渋谷に行って×××して…… (笑)。でも、この前X-TRAILで来た時に、いつものように六本木で夜遊んでたんだ けど、すごく小さなクラブに行ったんだ。それで、ふと向こうの方のテーブルを見たら、クリスティーナ・アギレラそっくりの女の子がいて、よく見たら本物なんだ。2 人のセキュリティだかなんだかわからない男2人と一緒にいて。

ーへえ~、話かけたりしなかったの?
しないしない。あ、でもそういえば、その時マイク・ランケットと一緒にいて、 彼ってすごくおもしろい人でしょ?クリスティーナが店を出ようとした時にマイク、 おいかけていったんだ。それで、後ろから「ヘイ、クリスティーナ!」って叫んで、 彼女はマイクがきっとナンパでもしてくると思ったんじゃないかな、待ってましたとばかりに振り向いて、そしたらマイク、なんて言ったと思う? 「どこに住んでるの ?」(大爆笑)……あれは、今まで僕が経験した中でも一番笑える出来事だったね。

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ーこれからの予定は?
この大会(Core-X)の後は、USオープンに行って、それで今シーズンの大会は終わり。その後はビデオの撮影だね。来シーズンはオリンピックの予選を廻るんだ。(オリンピックに)出られたらいいなあ……出られなかったら出られなかったで構わないけど。それが済んだらたぶんもう大会にはほとんど出ないと思う。ビデオの撮影にフォーカスを置きたい。ビデオの方が印象に残ると思うんだ。キッズは皆ビデオを見るからね。何度も何度も……コンテストとビデオ撮影は全く違うもので、撮影だったらその合間にも新しいトリックを練習したり、いろんなことを経験するチャンスがたくさんあるのに対して、コンテストでは同じことの繰り返し。コンテストばかりだとなかなか上達しないと思う。でも、ドームでのX-TRAILみたいな大会は楽しいと思 うよ。
ーそういえば、株にハマッてるって話を前に聞いたことがあったけど、どうなの?
今は最悪だよ~!たくさん買ったのに、今のアメリカの株式市場は最悪だから、コンピューターで今どうなってるかチェックするのが怖すぎて、ここしばらく見てない。
ーいくら買ったの?
最初は70万分くらいしか買ってなくて、市場がいい時には500万円くらいまで上 がったんだ。でもたぶん今は100万円くらいにまで下がったんじゃないかな。上昇してるときには「人生は最高だ!」って喜んでいたけど……でも、いい経験さ。いい勉 強になった。

ーキアにとってのゴールは何?
う~ん、僕はただこれからも、自分がやっていることに満足しながら幸せを見つけていけたらいいなって思う。だから余計にトリップできることに感謝してるんだ。 トリップはいつも楽しいものばかりじゃなくて、時にはスケジュールがきつすぎた り、大変なことも多いけど……去年、友達が2人死んでからは、今を一生懸命生きることが大事なんだなってわかった。今自分が持っているもの、与えられたものを楽しむことが大切。どんなことをやっていても、いつもハッピーでいたい。具体的なゴー ルはないけど、僕は自分の将来に関してはあまり心配はしてないよ。
ーじゃあ、引退したらこれやってみたいな、とか考えてることとかってあるのかな?
あまり考えたくないなあ。その時その時で状況って変わるでしょ。高校生の時 は、なんとなく建築家になりたいな、とか思っていて、先生たちは口をそろえて「スノーボードで人生を無駄にしてるぞ」なんて言ってたもんだけど、小さい頃からの夢を実現させている人って本当に少ないからね。どこまでスノーボードできるかにもよるけど……会社を始めたり、建築の勉強をしたり、デザインの勉強をしたり、株主になったり……プロのギャンブラーになるとか(笑)。

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