そういえばFIRST CHILDREN現在の最新作、ALL FOR ONEのパートについての思い出をいつか書こうと思っていて忘れてた。
あの作品は俺が過ごしたシーズンで恐らくあれを超えることはないというほどの豊富なカット数でした。
削りに削って、それでも多くてヤスさんが細切れに切り刻んでくれて作ってくれた、自身としてはとても濃い内容のパートでした。
まずは反響のあるカット
〜冒頭の「ふん!!」×2回〜
お気づきの方も多いでしょうが、実際に「ふん!」は一回しか言っておりません。
本当はドラゴンボールのナッパのような技で背景にあった妙高山を吹っ飛ばすつもりでした。
でも画面で見ると妙高山がわかりづらかったので山は壊しませんでした。
で、OKのカットは実は「ふん!」の状態のまま20秒くらい止まっているのです。止まっている間に大人な編集処理が入ってMT.妙高は跡形もなく消し飛ぶ予定でした。
ので、実は冒頭のカットはつい笑ってしまったNGカットだったんですね。
そのNGカットを好感の持てる名カットに育ててしまう。鬼才・佐藤康弘先生の着眼点にはいつも勉強させられてしまいます。
〜魔王ボードスライド〜
これはもはやシグネーチャートリックといっても過言ではないでしょう。最近、外国のパークにも手すりじゃなくて階段を置いたりしてマニュアルで擦っていく動画とか見たりしますが、階段なんて俺は一年以上前にストリートステアをボードスライドで擦ってるわけですよ。
遅い、遅すぎるわ!!
やるのは実際簡単です。トゥが引っかからないように薄めのヒール過重で膝をしっかり曲げてやれば意外と簡単にいけます。
板がどうなってもいいかたは是非トライしてみてください。
俺は二回トライして二回ともメイクしました。
ですが、それよりも重要なのはビーニーのかぶり方やサングラスがでかいのと、異常なまでの低重心スタイルもあって、ただでさえデカイ頭が究極にデカく見えるのがあのカットの特徴。
3頭身位しかなかったように見える。
〜ダブルコーク失敗〜
高鷲での特設キッカー撮影時のアクシデント。ライナーリップなのに「入れ」が弱く、全然回転数が足りなくて死にました。
その時のブログで二回死にかけた・・・みたいなことを書いたのですが、まずダブルコークで喰らいました。
派手にこけたし、魔王ポーズやらなきゃ!という使命感はあったのですが、余りにもダメージがでかく、ポーズをとったあとはしばらく動けませんでした。
そしてそのあとにスイッチバックロデオ900をやったのですが、そちらは飛びすぎ&回りすぎになってしまい、ロデオ特有の「振り下ろし直撃逆エッジ」で帰らぬ人になりかけた日でした。
でもその後も長めの休憩の後に飛んでたなあ。
これは痛覚が極端に鈍い私の悪いところですね。休めばいいのに。
〜一度目のダブルコーク〜
これは自分でも好きなシーンです。
テーブルにすると大して大きくないナチュラルキッカーでした。
アプローチ斜度も取れないところなので、モービルで引っ張ってアプローチするというすごい地形。
ここでアンダー540をメイクしたあとに何故かダブルコークをやろうと思ってしまいました。
おかしなことに、アンダー540はメイクするのに3回も飛んだのにダブルコークは1発メイクでした。納得いかなくてもう一回やって、二度目もメイク。何かが降りてきていた日でした。
〜SB1260〜
前作のデンジャラスマーチでもやっていたSB1260ですが、その前に自分の中では最高級の完成度のSB900を同じキッカーでメイクしてしまい、1260になるとちょっと形が崩れたのでカットを並べるかを非常に悩みました。
でも、天神平スキー場は快く撮影に協力してくれたし、そこでのカットはなるべく出したいしで、使わさせていただきました。
何よりSBスピンできちんと1260出来るのは日本人で自分だけという自負から採用となりました。(同じシーズンにBS1260は数人いました。)
ちなみにこのSB1260をメイクした日は全部で同じ技を5回メイクしてます。
全部のカットをボーナスパートで
「トルネードトゥウェルブ」
の怒涛の1260連発として載せてます。
〜ストリートレールのカット〜
基本的にFCはパークレールのカットはほぼ使いません。
大部分がストリートです。
今までストリートをやらない私はFCでジブのシーンが採用される尺は無いに等しかったです。
ですがこの撮影シーズンの前のオフシーズンは何故かSNOVAでレールをやるのにはまっていたので、
「せっかくだしストリートもやるか。」
と思い、意欲的に始めました。
でも、やって再確認できたんですが、やっぱりストリートはあまりやりたくないな、ということ。
パークレールの何倍も難しいし、リスキー。
今でもジブが好きな方ではないので、こんなんで怪我したら悔やんでも悔やみきれないなー、というのが本音です。
でもストリートはロケハンや撮影自体はナチュラルキッカーのロケハンや撮影と比べるととても手っ取り早いし、楽。
オフピステを長時間ハイクする事の方がはるかに辛いし、撮影チャンスも少ない。
ストリートは天気が悪くてもナイトシューティングできるし、歩く距離もとても少ない。
ただし、ハーコーなレールが出てきた場合は打撲、捻挫、骨折など、考えられる怪我自体の可能性が極端に高い恐ろしいもの。
なのでFCのストリートファイター・江渕さんが舌なめずりをしたくなるようなレールには、私は基本的に近づきません。
とにかく初ストリートレールをやったこのシーズンは、ストリートの色々なことが勉強できました。
まだまだあるけど、だいぶ長くなったからこの辺で。
それぞれのカットに見えない努力やドラマや笑いが色々ありました。
こないだ終わったシーズンもそんなのをいくつも経験して貯めてきた映像が盛り沢山です。
次回作はどんなムービーになるのか、今から楽しみですね!!
次回作のタイトルは・・・!発売時期は・・・!
分かり次第ブログなどでお知らせします!!!!