SNOWBANK PAY IT FORWARD 2016
今年で6回目の開催となる「Snowbank pay it forward」。
PSA ASIA 初の協賛イベントになります。
2016年11月12日〜13日 今回も日本中からトップライダー達が集結し、国内NO.1ジバーを決める熱い戦いが東京代々木公園イベント広場特設ゲレンデにて行われた。
本イベントは過去に難病「慢性活動性EBウィルス感染症」を患いながらも骨髄移植により病気を克服したプロスノーボーダー「荒井DAZE善正」氏が発起人となり、スノーボードの大会を開催して集まってくれる多くの人々に骨髄バンクのドナー登録の存在を知ってもらい、さらに献血が行える環境を作っている、スノーボードイベントとしては他に類を見ない、社会貢献の度合いが非常に大きいイベントである。
スノーボードの大会が行われるだけではなく、飲食ブースエリアや、ボルダリング体験やスラックライン体験ができる福島エリア、スケートボード体験ができてレッスンも受けられるミニランプ、Tシャツのプリント体験やマグカップへのプリント体験ができるワークショップコーナーなど、数多くの出展ブースがあり来場者を楽しませていた。
さらに会場と隣接する野外ステージでは日本国民なら誰もが知っているメガヒットナンバーを持つ有名アーティストによるライブ、渋谷区長や著名な芸能人を交えてのトークショーなどが行われるなど老若男女、誰が来場しても楽しめる大きなイベントとなっていた。
二日間に渡って開催された本イベントであるが、スノーボードの大会は初日に一般参加選手による戦いが行われ、男女各3名ずつとキッズ1名が二日目に行われた招待選手による本戦へと駒を進めた。
一般参加選手とは言え、メーカーからのスポンサードを受けるライダーの姿も数多く見られ、シーズンインのこの時期にリザルトを残して勢いに乗りたい若手ライダーや、日頃の練習の成果をオーディエンスに観せられるこの機会を活かしたいジブ自慢ライダー達も多く集まり、これまで開催されたSnowbankの中で最も出場者数が多い大会となった。
そんな激戦の初日を勝ち抜いた猛者達は下記のとおり。
男子
1位 梅澤直樹
2位 鈴木冬生
3位 遠藤柾志
女子
1位 滝沢有里香
2位 天野紗智
3位 岩崎華子
キッズ
1位 前田力穂
例年特設ゲレンデの真ん中に設置されたサイドインのダウンレールで争われていた本大会であったが、今年はさらにレギュラーフロントサイド側に設置されたダブルダウンレールもジャッジ対象となり、トラックステージやビジョンカーまで配置されパワーアップした会場に負けず、大会セクションも進化している印象を受けた。
男子はダブルダウンレールを果敢に攻めて綺麗にメイクしてみせた梅澤直樹が、女子は指を骨折した状態でも全くそのハンデを感じさせずに攻め続けた滝沢有里華が、そして大人達に全く引けを取らないスキルの高さをみせた前田力穂がキッズクラスを制し、それぞれのクラスでのタイトルを獲得した。
2日目になると全国から集められた有名ライダー達が、予選からそのスキルの高さを遺憾無く発揮して、快晴のもと集まった大勢のオーディエンスを沸かせていた。
普段プロツアーを転戦するプロライダー達もPSA ASIA(プロスノーボーダーズアソシエーション)からの推薦を受けて参戦した。
昨年のツアーランキング1位の大塚健プロや同ランキング8位の中村一樹プロをはじめ、ルーキーの大村優生プロ、ハーフパイプで世界を転戦する片山來夢プロなども洗練されたプロの妙技を多くのオーディエンスに見せつけていた。
豪華有名ライダーばかりが集められた2日目の中でファイナルまで駒を進めた一般参加選手は、遠藤柾志、鈴木冬生、天野紗智の3選手。下克上を狙う一般参加選手の猛追をなぎ払うように迎え撃つプロライダー達。
ファイナリストは下記のとおり
男子ファイナリスト
上野恋慈
加賀大希
関功
飛田流揮
遠藤柾志
小川凌稀
ショーンライアン
高橋龍生
高橋烈男
鈴木冬生
女子ファイナリスト
尾崎亜珠
星野文香
浅谷純菜
高橋あおい
河合徹子
松田麻衣子
小山絢子
34(みよん 山口美英)
小野崎海琳
天野紗智
RIDER:Maiko Matsuda
過去の本大会チャンピオンやムービースターなど、男女ともに有名選手が名を連ねたファイナリストの中には、PSA ASIA所属のプロライダーも多く、ハーフパイプ種目でも日本を代表するトップライダーの浅谷純菜プロや、エアミックス優勝など大きなタイトルを持つ星野文香プロ、高校生ながら活躍する高橋あおいプロ、文武両道ライダーの小山絢子プロなどがみられた。
それぞれの名前を聞いただけで激戦になること間違いなしの豪華メンバーでのファイナルとなったが、そんな激戦を制しタイトルを獲得したのは昨シーズンPSA ASIAスノーボードプロツアー神立スロープ覇者でありキングオブキングス優勝者の飛田流揮。
RIDER:Ruki Tobita
彼はダブルダウンレールへスイッチエントリーからハーフキャブイン50−50toバックサイド360アウトや、同じくダブルダウンへのフロントサイドリップスライドtoスイッチフロントサイドボードスライドなどを完璧にメイクしてオーディエンスの度肝を抜いた。
完全にノリに乗っている飛田選手にはこのまま勝ち続けてもらい、来年3月開催予定のプロツアーPSA ASIAグランドチャンピオンシップ in Hakuba 47でも優勝賞金100万円をゲットして皆んなから憧れられるプロライダー高校生として活躍し続けてもらいたい。
また同じく激戦となった女子の優勝者は、2011年にSnowbank一般の部で優勝し、現在はライダーとして活躍する松田麻衣子。
ダウンレールへのフロントサイドテールスライド270アウトをクリーンメイクすると、ダブルダウンレールでもハードなトリックにトライ。こちらでもフロントサイド50−50toフロントサイド360アウトを文句なしのフルストンプするなどして勝利を手中に収めた。
以前は一般選手として参加した本大会を、ライダーとして盛り上げたいとコメントして臨んだ今大会。コメント通り参加選手中で最も会場を沸かせた女子選手となった。
メインステージ上での表彰式ではファイナリスト全員が舞台に上がり、大勢のオーディエンスと共に優勝者を讃え、イベント中に目標とされていた骨髄バンクドナー登録者数77人と献血者数111人を遥かに超える人数の方が登録と献血に協力してくれたことが会場に伝えられたところで、毎年恒例のダゼバンドによるエンディングライブが行われた。
会場のボルテージが最高潮に達したところでSnowbank2016は終了となった。
最終的にドナー登録者は83名、献血者数は131名となり過去最多の協力を得ることができた。
徐々にスノーボーダーやイベント来場者の心の中に「今その時の行動が、見えない誰かの未来を救える行動になる」ことが浸透してきていると実感できる結果となった。
来年Snowbankの開催は2017年11月11日〜12日に決定していて新たなSnowbankが始まろうとしている。
RIDER:献血チャン(Reona Hashimoto)
なお、今年もマスコットキャラクター献血ちゃんのデモランはプロライダー橋本伶央奈の大活躍によって無事に行われた…(笑)
SNOWBANK PAY IT FORWARD 2016
reported by Itaru Fujinuma
text : MC 藤沼到(X-nix head)
photo : Photography樹