15.16 PSA ASIA Snowboard Pro Tour round 6
2016/2/13 PSA ASIA プロツアー第6戦。
PSA ASIAツアーALの初戦は今季で3年目を迎える中部協会様主催、よませ温泉スキー場で開催の7th CSBS on SNOWFESTA、GSで開幕。
事前からの天気予報もギリギリ躱し、雨こそはまのがれたもの、南から温かい空気が流れ込みゲレンデは春の装い。
インスペクション開始頃には+4°となり出走が進むにつれコースのいたみが選手の明暗を分けることが予測される。
全長800m、標高差250m、1分超と想定される35旗門のロングコース。
世界のトップ選手にもコースをコーディネートする名セッター長岡氏の匠なセットは選手の緊張と興奮を煽るテクニカルな配置となる。
スタートからの中斜面をややストレート気味のオープンセットを10旗門程抜け、やや右にリフト線下をくぐり緩斜面を走らせながらビックベアー名物の落とし込みを迎える。
ピーク付近にいやらしく打ち込まれたヒールサイドのゲートが選手を悩ます。
落ち込み直後にコースは左に折れながらリフトに沿うようにゴールへ向かうが、ここからは次々に迫り来る斜面変化と僅かな垂れ、セットの振り幅もめまぐるしく変わり選手の経験値が問われるハードでテクニカルなセットが待ち受ける。
後半まで気力と体力が維持できるか???
速さだけではなく技術や精神力、元より体力も持ち合わせていなければたやすくゴールにはだどりつけない。
男女共にフルメンバーが揃い予選1本目。
ドローで1番出走を引いた女王、志鷹からスタート。
好条件を味方にゲートを攻める。コース長が長いため志鷹のタイムコールを待たずに椎葉スタート。
志鷹が66.220を叩き出し後続を待つ。
攻めあぐねた椎葉、城所とは対象にまずまず攻略した丸山、石中が少し遅れて69秒台でフィニッシュ。
後続のルーキー三木や転倒しながらも果敢に攻めた松沢が2人の間に割り込みセカンドグループで熾烈な争いを展開する。
気温が高く雪が緩んでいることもあり女子の滑走終了時点でいつもに増してバーンの痛みが激しいがその儘男子1本目、比較的好条件の中、くじ運を活かしKIMUTOMOがスタート、64.120と好タイムを刻む。
続いて小林はさい先良く条件を活かしきり61.600と1分の壁に迫るタイムを叩き出し後続を待つ。
他の選手が攻めあぐねるなか5番手出走、今も64秒台と好調。
最年長、相沢も巧みにバーンを攻略して65秒台で好ポジションをキープ。
7番手の成田が63秒台で上位に割り込むも小林のスーパーラップには届かず依然小林がリーダーを守る。
ここで10番手から出場連勝中の吉岡が62.180と昨シーズンでの世界で戦った強さを見せつけ小林に迫るも僅かに届かず。
続く河島も64秒台と、刻々と痛みが激しくなるコースに出走順の影響が銘刻となってきた。
残すはドロー圏外から、海外遠征で国内のポイントがない晃平、神野がどう攻めてくるか???
タイムの行き詰った17番手から神野スタート。
吉岡に同じく小林を食う勢いで斜面を攻略、条件の悪くなったバーンを意ともせず駆け下りフィニッシュ!!!
後発からとは思い難い61.980と圧巻のタイム。
吉岡を躱すも僅かに小林に届かず。
20番手からは全てを見届けた晃平がスタート。
更に悪化したバーンを攻め立て3人に挑むも条件に阻まれ僅かに届かずそれでも直ぐ後ろの4番時計で終了した。
2本目のセットは、1本目のセットに対しテレコに配置されるも、セッター長岡氏の事前宣告どおりワイドに振りこんだ超テクニカルセットとなった。
インターバルは本目よりも僅かに伸び26m程とのことであるが振り幅が2枚超から3枚ほど振られ、普段の練習や経験値が問われる難コース。
線下落ち込みピークに打たれたヒールサイドのゲートから垂れながら登るトウサイド、その奥に待ち受ける奥に振り込まれたヒールサイドからの斜面の切り替わりと、よくも2本目にこのセットを用意していた長岡氏の準備に驚く絶妙な配置。
更に1本目のラインが所々に牙を剥き出し選手を待ち構え、1分超のコースが選手の体力を蝕んでいく。
2本目オーダーは女子、一人旅の志鷹66.220の後に、1本目に転倒しながらも69.000と迫った松沢を筆頭に丸山、三木、石中が69秒台でセカンドグループを成形。
男子は61.600とラップを死守した小林に肉薄する神野が61.980、更に直後に62.180の吉岡と順当にいけば3人の表彰台中央争い。更にはなんとしても3人に食い込みたい、あわよくば中央も伺う晃平が63.770、同タイムで久々のお立ち台を狙う成田。
64秒台にはKIMUTOMO、今、河島が虎視眈々と上位を伺う。
プロツアーGSの醍醐味は2本目のフルアタック!!!
誰もが1つでも順位をあげようと後先を考えずこの1本に全精力を傾け渾身の滑りを思い描きスタートをきる。
女子決勝。
フリップで8番手の鹿野からスタート、77秒台でまずまずの滑りでフィニッシュし後続を牽制、順位の確定を待つ。
3番出走和田が1本目のアドバンテージを守り鹿野を抑えてリーダーになるがここからが女子トップの熾烈な争い。
石中が77.170とラップを刻みリーダーに躍り出ると、後続、三木は気負ったか僅かにタイムを伸ばせず石中に順位を譲る。
1本目DQ誤審判定を覆した丸山が憂さをはらすかのアタックで75.810でフィニッシュし表彰台を確定し残る2人をゴールで見守るが、1本目にも転倒を犯していた松沢は痛恨のミスでフィニッシュをきれずここで消える。
十分なアドバンテージを持った志鷹は手を緩めることなく果敢に攻め72.950と大きく丸山を離し危なげなく今大会を制した。
優勝 志鷹 あかり
2位 丸山 美樹
3位 石中 葵
男子もフリップで後続からのスタート。
1本目の轍や超テクニカルなセットを攻略しきれず波乱の幕明け。
15番手2番出走の宮尾が1本目の憂さ晴らしに70.570の好タイムで上位を牽制。
続いて黒木、後藤も71秒でプレッシャーを高め黒木がリーダーへ。
ここから合計タイム137秒台でのコンマ差での入賞争いが始まりめまぐるしくリーダーが置き換えられた。
10番手より高橋がリーダーに躍り出ると9番手の相沢が1本目の余力を活かし僅かに高橋を上まりトップに踊り出、シングルポジションを確定。
8番手河島はプレッシャーにおされたか僅かに失速、73秒台と伸び悩んだが黒木を抑えポジションを確保。
7番手の今は宮尾のラップを塗り替え70秒フラットで大きくこの混戦を抜け出し入賞圏内を確保。
KIMUTOMOは痛恨のミスで大きく順位を下げた。
残すはお立ち台争い。
5番手の成田が会心の滑りで67.630と大きくラップを塗り替え上位に更なるプレッシャーを与えると波乱の幕明け。
4番手晃平が上部で痛恨のミスを犯し結局ゴールをきることなく戦線を離脱。
トップグループからの3番手吉岡は難コースを見事に捌き66.970の堂々たるタイムで定位置のリーダーを奪取、残る2人をフィニッシュで見守る。
その頃既にスタートを切っていた神野は足元を掬われ痛恨のミス、コースの餌食となり大きく順位をさげることとなった。
これを知ってか知らずか、昨年初戦の初優勝に続き、おそらく2勝目を意識した、神野の直後にスタートした小林のタイムは僅かに伸び悩み、1本目のアドバンテージをも吉岡に飲み込まれ合計タイムで0.48差で優勝を明け渡した。
優勝 吉岡 健太郎
2位 小林 学
3位 成田 智計
4位 今 拓洋
5位 相沢 盛夫
6位 高橋 翔
そして大会に併催したサイドイベントとして ”プロと滑ろう!!!(キッズイベント)が行われました。
レース終了後、表彰式前までの合間に、今回優勝者の吉岡選手、志鷹選手をはじめトップ選手と参加されたキッズメンバーZ!?と楽しいひと時をすごしました。
表彰式ではコーチとして参加したプロからのプレゼント抽選会も行われ、キッズメンバーよりも同伴された親御さん達の方が楽しんでいたかも!?
来季も企画しておりますのでどしどしご参加ください!!!
今季のALはハイスペックなコースでプロの闘いが存分に詰まったツアーとなっております。
素晴らしいバーンを提供していただいたマックアース・よませ温泉スキー場様、運営に尽力を注いでいただいたCSBA様に感謝を申し上げます。
早くも6日後には身体を休める時間もなくPSA PGS in Sugadaira pineak with KSBAが開催されます。
世界のトップ選手を迎え、更に熱い闘いが繰り広げられます。
今後もPSA ASIA ALPINE Pro Tourをご期待下さい!!!