今各地で盛り上がっているジャンプ練習用施設、ブラシ+エアーマットランディングを採用し、雪上と同じようにアプローチラインを描き、飛び、そして安全にランディングする。ランディングはエアーマットだから失敗しても痛くない。だからこそ思いきった練習ができるということで人気を集めている。
今回、都心からも近い立地にある埼玉クエストの支配人、岡部さんににその施設の魅力と楽しみ方を教えてもらった。埼玉クエストではいくつかある施設の中でも、どちらかというと初中級者の利用者が非常に増えているという話。そこにはどんな工夫があるのだろうか?
どんな方の来場が多いのでしょう?
「うちの施設では、プロライダーや上級者の方は1割にも満たないんです。どちらかというと初めての人から中級の方が多く、今年の4月から、ほんと昨年の倍くらいの勢いで多くの方に利用していただいています。年齢的にも幅広い感じですが、やはり一番多いのは20代前半~30代の方ですね。」
初心者の方ってゲレンデでキッカーを飛んだことのない人も、ですか?
「はい、ここで初めてジャンプを経験するっていう方も多いですよ。最初はちょっとブラシのアプローチに不安感を持っていらっしゃる方もいますが、初めて来場の方にはブラシ講習をちょっとだけ受けてもらいます。安全にアプローチできることが重要なので。でも、早い人は3本ほど練習したら、すぐ慣れてしまいます。そうでなくても5~10本滑れば、完全に慣れるので、本当に誰でも大丈夫なんです。ブラシも新型ブラシ「eazy ride」が導入されて今はとても楽に滑れるようになっています。あとはジャンジャン飛んでくださいって感じです。」
この施設の魅力って、どこにあるのでしょう?
「とにかく、ジャンプを安全に楽しめる。上達のためにチャレンジしてもランディングは常に安全です。しかも、アプローチからランディングまで雪山に近いイメージでおこなえます。それと同時に我々スタッフが常に常駐してみなさんにアドバイスもしています。雪山ではあえてスクールに入るなどしないと、なかなかじっくり教えてもらえるチャンスはないかと思います。でも、ここではスタッフが気軽に声をかけるかの感じで、ワンポイントのアドバイスが受けられる。自分の感覚だけではわからない悪い部分をどんどん修正できるんです。また、ジャンプのシーンは常にムービーで収録しています。ジャンプして、再びキッカーに戻ってくる頃にちょうど自分のジャンプのムービーが再生されて、それを見て確認、修正できる。だから、上達は雪上よりもグンと早いと言えるでしょう。」
そんなに効果的なんですね。違ったイメージを持っている人、実は多いかも
知れませんね。
「気楽に来れる、楽しめる、そんな施設なんですよ。ジャンプっていうと難しいと感じる人もいらっしゃると思いますが、ランディングがマットなだけにまず楽しい。うちの施設では貸切のセッションも結構多いのですが、ショップ主催のイベントとかで初めて来て、その後リピートで来て、友達も連れてきて、、、と、どんどん広がっている感じです。シーズンインまでに上手くなって、今年はパークを楽しむぞっていう人もどんどん増えています。」
ここで使う用具については?
「まず、エアーマットを使うので、エッジを落としたボードを使用します。なので、自分のボードを持って来られた方は、ダリングしていただいてからということになります。一度ダリングしてしまうと雪上では乗れなくなってしまうので、古いボードを持ってきていただいてということになりますが、ボードのレンタルもありますので大丈夫。また、ヘルメットも必需品です(レンタル有り)、プロテクターは無料のレンタルも有り肌を露出しない服装で。グローブは滑り止めの付いていない極めて普通の軍手がオススメ。ホームページにこのあたりは詳しく紹介していますので参考にしてください。」
ほかに、何か注意すべきことはありますか?
「もし、自分のボードを使用する場合は、キャンバーボードがオススメです。ロッカーボードと比較するとキャンバーの方がブラシの上でのコントロールがおこないやすいです。また、水を撒くので下着まで着替えの用意を。さらに特に女性の方は白いTシャツとかは避けた方が良いですね。」
今後計画されていることなどありますか?
「8月21日(日)毎年恒例のムラサキスポーツのイベント、サマージャンプフェスタを開催します。また、今嵐山町の商工会とKid’s育成プロジェクトの準備を進めています。新しいキッズ用のスロープを用意して、地元や関東エリアのキッズたちにもこの施設で楽しんでもらいつつ、スノーボードの将来を担う選手育成へとつなげられたらと思っています。」
なるほど、それは楽しみですね。この施設での体験がきっかけで、多くのスノーボーダーたちがどんどんステップアップできますね。
「まだまだ、これから盛り上がっていくと思います。自分たちもそのサポートを精一杯できたらと思っています」
埼玉クエスト・支配人:岡部忠彦さん
自らのライディングやスキー場での勤務経験などを活かして、スノーボーダーにとってより良い環境をと考えながら施設を運営している。その親しみやすい人柄も相まって施設へ来場するリピーターは今年、昨年の倍以上の勢いでどんどん増えているという。