4月に入るとスキー場の殆どがクローズしていく中で
逆にシーズンインとして注目を浴びてくる場所の一つとして立山があるのではないだろうか?
意外と知られていないのが立山という名称は飛驒山脈北部の立山連峰に位置する山で
雄山、大汝山、富士ノ折立の3つの峰の総称ということ。
そして日本では数少ない氷河を有する山であるという事。
立山の現場を良く知る一人、水間大輔は以前はハーフパイプのプロでもありながら
現在はBCに魅せられ、立山をベースにフリーライディングというジャンルで活動しているライダー。今年も立山でのライディングを数多くこなしている彼より、立山の雄大な景色とライディング風景を交えながら、2013シーズンの立山レポートをお送りします。
SBNに立山を取り上げてもらえる。それも自分の活動を通して。
そんなありがたい話が舞い込んだことから、この度立山の様子を紹介させて頂く事となった。
立山といえば毎年4月の10日前後に開通し、OPENと同時に、「まだ滑り足りないぜー!」という多くのスノーバム達がこぞって集結する。そこから一ヶ月くらいはパウダーに当たるチャンスがあり、「楽しい!」と言えるコンディションは、6月の一週目か二週目までだろうか。
その後、雪解けと共に徐々に白い世界は終わりを迎え、7、8、9月と、今度は夏山登山シーズンが到来する。続く9、10月、萌える紅葉が山を彩り、10月末~11月頭、初雪が新たなシーズンの幕開けを告げる。
立山は再び白銀の世界へと姿を変え、そこからおよそ一ヶ月程度、低気圧の動きに合わせ柔らかなパウダーが降り続く。そして11月30日。アルペンルートの営業終了と共に半年間の眠りにつく。
以上が立山の、ざっと一年の流れだ。
さて、今シーズンの立山はOPENから天気の悪い日が多く、とにかく雪が降り続いた。
5月の一週目くらいまで、「真冬やないか!?」と思う程。
ただ、そのお陰で降った後にやって来るピーカンには最ッ高のフレッシュパウダーが待っていた!まさに「ここどこ???」と、日本であることを疑いたくなるようなコンディションがここにはある。
自身も全線開通から2週間、テント泊をしながら撮影をしていた。そのうち、良いコンディションに当たったのは、たった3日間・・・(涙)
これだけ聞くとネガティブなイメージが浮かぶだろう。しかし、悪いことばかりではない。
先にも述べたが荒れた天候は、のちに必ずいい日が来るのである。
待ちに待って訪れた3日間は、それは素晴らしいコンディションだった。
無風、快晴、膝上パウダー!まさに「THE DAY!!!」これ以上無いという条件で撮影が出来た。
立山はそれくらいコンディションを読む事が難しい。
良いときもあれば、悪いときもある。
日帰りや、1日だけの滞在ではなかなか最高のコンディションに巡り会う事は難しいだろう。
ただ・・・予期せぬ瞬間やタイミングでミラクルな状況や、見たことも無い素晴らしい景色に巡り会えることがある。自分はそれを親しみを込めてこう呼んでいる。
「タテヤマジック」
例えば立山駅や扇沢駅からのアプローチの際、ガス、強風、など上がるのを躊躇するような
バットコンディションだったとする。それでも信じて上がってみた。
すると時間と共に雲が割れ、見事な雲海が広がる。下界は悪天候。
立山一帯は超快晴。これがいわゆる「タテヤマジック」という現象だ。
それは信じた者のみに突然訪れ、体験した人間は人生観が変わってしまう程の感動を得られる。かもしれない。
集約すると、「立山」とは、海外にも負けず劣らずの規格外な魅力を持った山だということ。
日本で最もシーズンが長く、11月からデカいスプレーを撒き上げ、デカいフェイス、ロングトレイル、過酷な自然環境のもとでのテント泊(笑)など、様々な経験を与えてくれる。
それも全ては自然の恵みであり、豊かな自然環境の恩恵。。。
自然が織りなす神秘的な世界「立山」
ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろう?
水間大輔プロフィール
1978/11/13
富山県出身
2007年HP種目でプロ資格取得。ハーフパイプ、ストレートジャンプの大会を転戦。
その後、バックカントリーの世界に魅せられフリーライドをメインに活動。昨年は念願の劔岳滑走に成功。
RAMPJACK掛尾店の店頭に立ちSNOWBOARDの楽しさを伝える傍ら、地元立山をメインに裏劔など未だ世に出ぬポイントを開拓中である。
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