一昨日はARAI(現在閉鎖しているスキー場)で働いていた当時の大切なお客様と20年ぶりの再開となった。
当時の私は25才、お客様も同じように年月を重ねている。
20年も前の事を思い出す為には何かのキーワードが必要が必要で、そのキーワードが見つかると
一瞬で、20年前の記憶にタイムトリップできる。そして、その時間(トキ)を埋め、当時のことを
シェアする為には、何でも良いので一緒に何かするのが良いと思う。
例えばBBQの火起こしでもいいし、イカを切る作業でも良い、共同作業によりバチーンと
時間軸が過去から現在まで一気に繋がるのだと強く感じた。
さて冒頭の大切なお客様だが、仮にそのお客様は当時子供だったとしよう。
するとどうだろう?「20年前の事など覚えていないかもしれない」と思われる人もいると思う。
確かにそうで、自分の小学生の時の記憶思い出せますか?
と聞かれたら自分を振り返っても覚えている事すら疑わしい。
個人的には、海を初めて見たのは小学校3年生の時と記憶している。
実家の中軽井沢から信越本線に乗り、いとこの叔父さんの子供と合計3人で新潟県直江津の海岸に
連れてきてもらった。電車に乗りながら外を見ている風景、バシャーンバシャーンと波際で
音を立てて崩れる波のシーンは今でも脳裏に蘇る。
でもそれ以外のシーンは写真を見ないと記憶として脳裏に映し出されていない。
きっと記憶として残っているのは嬉しい事や、苦しいこと、楽しい事や、悲しい事と
何かで結びついている時なんだと思う。
それを思い出すキッカケとなるのが、人であり、場所なんだと思う。
一昨日のBBQはまさに、当時のARAIで働いていた先輩メンバー達と、私の大切なお客様達、
そして場所も雪森(旧新井市、現妙高市)ということで20年の歳月が埋まり、最近にあった
過去の事のように思えた。
ここで、私はARAIの先輩達に囲まれながら、大切な2人のお客様に改めてお礼をすることができた。
お礼をしたかったのは94年当時、私が企画し参加をしていただいた「ムーンシャインスキーツアー」に
参加していただいた事。
(夜にキャット(TRというメルセデス製のエンジンを積んだ雪上の輸送車)で
ARAIの林道コースを3km登り、そこでHOT WINEや子供はHOT CHOKOを飲んで、
そのまま月明かりを滑り降りるというツアー、当時は日本のウインターリゾートで初だったはず?)
というのも当時25才の平社員、これを会社に半ば強引、無理矢理に認めてもらったので、
説明上どうしても欲しいのは参加者のフィードバックだったからだ。
そんな中、この2人のお客様のフィードバックに助けてもらったのを鮮明に記憶している。
そしてフィードバックはとてもシンプル。
「2人の少女の笑顔と笑い声」
ツアーが終わりキャットの周りの時間と空気が変っていた。
近くで見ていた当時の上司達が笑顔になり、私に取っては最高のご褒美になった。
この2人とは姉妹で現在、29才と26才(当時 姉9才と妹6才)になり、それぞれとても素敵な女性に成長していた。
彼女達は、私の記憶に鮮明に残り、「笑顔と笑い声から生まれる前に進む勇気」を与えてくれた。
そして、20年の歳月が過ぎ、もしかしたら、この地で私の愛娘をムーンシャインツアーに連れていってくれるのは、
妹さんかもしれない・・・
そんな事を考えると、ふっと嬉しい気持ちになったりする。
この縁を繋いでいただいたARAIの先輩たちとの、お客様ファミリーとのBBQ。
ぱっと見ると古い時計かもしれない、さびていて動かなそうかもしれない。
でも、人の出会いと場所で小さな歯車から大きな歯車に動きが伝わるように、ゆっくりトキの歯車が動きだした。
そこからは、20年の歳月を感じさせない時計として、今の時間を刻みだせる確信した瞬間でもあった。
PS
しかし当事者の2人のお客様が一番記憶していたのは、
私がスノーボードのトレーニング用にカナダから輸入した私物の丸形トランポリンで遊んだ
記憶だったみたいだ。(苦笑)