それぞれ特徴のあるキャラで約20年間スノーボードシーンでフォトグラファーとして活躍している花坂 孝とZIZO。彼ら2人は実は同い年、1976年代の40歳だ。スノーボードフォトグラファーとして約20年間(2016-17シーズンで20年目)を迎えた彼らに、カメラを通して見てきたスノーボードシーン、お互いのスノーボードライフについて聞いた。
2人のカメラマン歴、スノーボード歴はどのくらいですか?
花坂 孝(以下、H): スノーボードを始めたのが16歳くらいからだから、スノーボード歴は23年くらいかな。ZIZOは?
ZIZO(以下、Z): おれも高校1年くらいからだからスノーボード歴はほぼ同じだね。
H: カメラマン歴は俺の方が何年か長いくらい、たぶん来シーズンで20周年になるね。大学に入って2, 3年くらいで写真の仕事をもらい始めたのからそれくらいだね。
Z: おれもだいたい同じくらいだけど。おれがアメリカに行ってた時には、ハナはすでに仕事もらってたよね。
初めての出会いはアメリカですか?
H: そうそう、アメリカで初めて会った時「花坂さんに憧れているんです!」とかいってきてね笑 そん時、一緒にいた編集の人と「なんだアイツ、すげー怪しいぞ」って話ししたの憶えてるわ笑
Z: あったね笑 おれがハナに憧れていた部分って写真がどうこうとかじゃなくて英語が喋れて、海外ライダーとバッチリつながって写真を撮るっていう動きをしてた部分なんだよね。自分にとってはそれが理想だったから。初めてあったのはウィスラーだった気もするけど…
H: ちげーよ、フッドだよ笑 サマーキャンプ。衝撃の初対面だったからハッキリ憶えてるわ笑
初めてあったのはお互い何歳の時?
H: たぶん20歳か21歳のときかな。
Z: 初めて会った時、おれはスノーボードの雑誌でハナの写真を見て知ってたんだと思う。そんときは日本人のカメラマンとか全然知らなかったんだけどね笑
H: おれも当時は全然知らなかったな。ギリ、マル(Dice-K)さんくらいかな
Z: おれそのときはマルさんも知らなかったもん笑
やっぱり日本より海外の写真をよく見てた?
H: そうだね。スノーボードのカッコイイ写真を見たのがそこだからね。
Z: やっぱアンディ・ライトとかクリスとか。当時はアメリカに行ったら彼らが普通に写真撮っててさ。自分は日本というより、海外でやってるカメラマンに魅力を感じてたんだよね。それがハナだった。写真がどうこうより、花坂 孝っていう名前と海外のライダーと動いてるっていうのがうらやましかった。そのときは格上というか自分のやりたいことをすでにやっているっていう上の存在だったね。ライバル視してたね。
H: いや、ライバルじゃねーから笑
Z: 例えていうならね笑
お互いをカメラマンとして意識し始めたのはいつ頃?
H: 意識するも何も、カメラもってうろうろしてたからさ。写真は見てて不安なのがいっぱい。でこの性格じゃん笑。見ててヒヤヒヤしてたよ。でも、当たるときは当たるよね笑
Z: 親か!笑
H: そんな感じで見てたかも…笑 で、ZIZOがカメラマンとして活躍してきた頃には、おれもビデオの方に取り掛かってたかな。雑誌が少なくなってきた頃で。
Z: おれはハナの写真は最初ストリートで見てたんだよね。
H: いつぐらいの話し?おれ自身も憶えてないんだよね笑
Z: あれいつだっけかなあ。ストリートで機材どういうの使ってるのか、スゴイ気になるじゃん。で、ちょうど同じの使ってて、そこで共感をもてたんだよね。その当時ストロボ使ってたのもHi-Seeとハナくらいしかいなかったし。
花坂 孝が手がけるMOVIE、LBシリーズ最新作Teaser
2人の中で共通したカッコイイものって何ですか?
Z: マックダウの写真が雑誌の表紙だったのとかすごいカッコよかったよね。
H: そうだね。マックダウ、おれはあそこの撮影に入れてもらったことがあってそれはすごくイイ経験になった。あのときはそこが、いちばんピークだったから。ライダーとしてもフィルマーとしてもマックダウには憧れがあったね。そこの撮影に呼ばれて、その写真が表紙つ使われてからそれはすごい忘れられない。
Z: あとそのときでいうと、おれはライオくん。実は当時、写真じゃなくて映像にもいったのね、RED EYEっていう笑 だから写真から1時期離れたときもあって。それがあって写真の掲載歴も少ないんだ
2人が強く影響を受けたというマックダウ「The Resistance」
2人の写真を撮る基準は?
H: 完全にカッコイイライダーだね。人を撮る。それこそお金が絡まないなら撮りたくないライダーはいっさい撮らないからね。
Z: おれもライダーを撮りたい。いまのカメラマンってフィールドで撮ってる人もいると思う。パウダーとかストリートとかシーンを撮ってる人もいるよね。
H: いい写真を見せられる場所が少なくなってきた、雑誌しかり他のものしかりだけど。あとは、細かいのがいっぱいいすぎてるってとこが現代なのかな。一般人がアップできたりするっていうのも大きいと思う。いままでは紙のメディアしかなくて、そこがすべてプロの手による作品で構成されていたわけじゃん。それがいまやSNSで写真や動画が溢れて素人がS主導権を握り始めてる。価値が薄れちゃったっていうのはあるよ。
Z: そうだね。
2人とも海外ライダーとガッチリつながっていますが、どうやって繋がったんですか?
H: まずは一緒に生活すること。あいつらがいるところにいって話しかけるなりなんなり踏み出すことだね。
Z: 話しかける勇気なんていらなかったね。とにかくノリ。
H: とりあえず話しかけて知り合いになるところからはじまって
Z: 徐々に徐々に。
H: おれの場合は撮ったものあげたりっていうのやったりとか。毎年毎年やってるとあいつらも認めてくれて。普通からみたらすごい難しいことやってるように見えるらしいんだけど。
Z: おれはもともと外人好きだったのかもね。それを撮りたいから入っちゃった。好きなことだから全然大変だと思わなかったね。
H: やっぱりカメラマンだから、どうやったらそのライダー撮れるかしか考えてないんだよね。
AIR BLASTERチームとバッチリつながっているZIZO。JAPANトリップの際にはカメラマンとして参加。まさかのライディングパートでも登場
お互いどう思ってますか?
Z: ハナは自分からみて尊敬もあって。勝手なライバル視して。ライバルっていうか羨ましいか笑
H: 実際、そんな山で会わないんだよね。昔だったらフッドのキャンプっていう場所があったりで。ほぼほぼ1年にイベントとかで2-3回あったりとか。
Z: 昔ならフッドに行って、誰を撮ってるっていうのも気になってた。おれはAIR BLASTERとかフッドのライダーを撮ってたりして。ハナがMACK DAWGとか撮ってたりしたときはいいなあとか思ってた。いまはそういうのはないね。でも、英語でむこうを拠点でやり続けてるのはすごいと思う。あとは、ハナはライダーを丸め込むのがうまいよね。なんだろう、その気にさせるのがうまいっていうか。女の子をとるのもうまいし笑
H: おれはZIZOをすげー頑張っているなーと思って見てたね。途中から音楽の方の写真も撮ってて、写真集なんかも出しててスゴイなーって。
Z: RED EYEの音源を選ぶのおれだったりして。音楽もスノーきっかけで入ったんだよね。音楽とスノーボードは繋がってると思っているから。
H: 動きまくることくらいじゃないかな。おれの場合はそこだった。カメラマンでもライダーでも、とにかく憧れの人やらそうなりたいっていう理想に近づく動きをしていく。自分でプランニングをしっかりしてね。あとは、変な自己満で終わらないように。いいねの数とかに惑わされないようにだね。
Z: ノリと勢い!あとは自己満足どれだけできるかだね。自分の表現にこだわりを持って、新しい扉を開いていくことかな。おれもこれからずっと自分なりの表現を自分の方法で続けていくと思うよ。絶対にやめないし、やめられないね
H: やめたらタダの変態になっちゃうもんね笑
花坂 孝 PRO FILE
業界の異端児。アメリカ・カリフォルニアをベースにスノーボードの本質的なカッコよさを求めシャッターを切り続けている。近年では自身がプロデュースするLBシリーズで映像でスノーボードのカッコよさを表現している。GBP, SMOKINをはじめ海外ライダーと深いつながりを持っている。
ZIZO PRO FILE
そのユニークなキャラクターで人気のフォトグラファー。スノーボードのみならず、音楽やLIVEの写真も精力的に撮っている。AIR BLASTERチームからはまるでファミリーのように認められZIZOの似顔絵が入ったシグネチャーTシャツまでリリース。最近1児のパパデビュー。
To Be Continued…