第一歩を踏み出す

東日本大震災を受けて直接な被災をしていない者が関わるべきか、
それとも経験をした事がないものは口を差し挟まない出さない方が良いのか悩んでいた。

そもそも当事者じゃない人にいろいろ言われたくないと思われるんじゃないかという恐れもあった。
誰もが一度は考えた事があると思う選択肢、今回、私は一歩踏み出そうと考えた。

3.11から確実な復興を目指す!みやぎ政経塾

石巻十三浜・十三浜漁港で2日間に渡りボランティアをし、その後、仙台市にある曹洞宗松音寺
に移り、東北から日本を変えるディスカッションを学生、松下政経塾生らを交えて行い
その提言をまとめ国会議員にプレゼンするというアクション。そこに私もインターネット中継で参加する
複数名のコメンテーターの一人として参加してほしいと誘われた。

最初にお話を頂いたとき、同じウインター業界で東北で活動している友人達もいるし、
私が復興支援の事で話せる事など何もなく、きっと不快に感じる人もいるだろうと感じていた。

あの日からしてきた事と言えば、311直後の15日に社員のみんなの意志での寄付。
グリコーゲンという東日本大震災後の復興支援のアクション
その後の個人的な岩手の大槌町でのボランティア活動。しかし宮城県に関わる事はしてないし、
私のことだけで考えると、何もしないでじっとしていた方が、波風立たず良いのかもしれないと
感じていた。

<国際自動車株式会社(東雲)三浦社長と出会った離島>

ではなぜ、スノーボーダーやスキーヤーというウインター事業とは直接繋がらない、
このアクションに参加する事にしたのか?

このご縁を頂いた事について少し説明させていただきたい。
昨年夏に国際自動車株式会社(東雲)の三浦社長と、
ご縁で知り合い、共に星空を眺め合うという貴重な経験をした。

そこで、お互いのこれまでの人生を語り合ったりとても充実した時間を過ごした。

その後、東京に戻り三浦さんから熊谷 大 参議院議員をご紹介いただくことになり、
議員と直接、意見交換をさせていただく機会を得た。

そこで私が話した事は、「日本の天然資源を見直してほしい」というお願いだった。

日本は特殊な地域で日本列島の西側には暖流の流れる日本海という大きな水源があり、
冬にはシベリア寒気という北西の季節風が吹くことが多い気候条件がある。

そこに日本の背骨となる山脈が連なり地理的条件が重なりあうことで、北海道から
中国地方の日本海側の山間部は世界にもまれに見る多雪地域になっていることを
議員に説明した。

議員は、「今までは雪は味方だとあまり感じてこなかったが、
そこにこそ魅力があるのではないか・・・」と私の話に大変興味をもっていただいた。

国会議員の先生に直接お話をさせていただき、大きく頷いていただき、
さらに賛同までしていただき嬉しくなる反面、またかな?
という疑いも同時にあった。

実はこれに似たようなシーンは過去にも数回あったからだ。
しかし、今回は違っていた。
熊谷議員の秘書を努めている寺岡勝治さんにお会いしたからだ。
彼が伝えてくれたのは、都会で生活している地元出身の若者の考えと、
現地にいる若者の考えの間にあるギャップと行動力の話だった。
地元は行動力はあるがアイデアが足りない、都会はアイデアがあっても
行動力が足りないとの話だった。
また、そこに付随する都会と被災地のギャップ?

立場や役割や考え方の異なる人達のアイデアのとりまとめ?
国会議員に直接提言する機会の欠乏?

時の流れで風化していく前に何か考えるキッカケをつくりたい。
もしかしたらそこに新しい風を吹き込むのは外部の人なのかもしれない。

というのも、私達のウインター業界でも外国の人に初めて自分たちの持つ
素晴しい日本の雪の価値を再認識させられて今日を迎えているからだ。

これは、ニセコに始まり、野沢温泉や白馬を見れば一目瞭然の事。

そう考えると、自分が必要とされ何か役立てることがうっすら見えてきた気がした。
外部からの新しい風かもしれない・・・

道州制基本法案が国会を通過した時には、東北がポスト資本主義モデルになるといわれている。
しかし、私はウインターの世界では、雪が降るところが全てポスト資本主義モデルに
なのではないかと考えている。今までマイナス材料だと思っていたものを「遊び/楽しみ」の
力で幸のプラスの材料にする事ができる!

なんていうことを話していたら「遊び/楽しみを復興に繋げる」というキーワードで
このアクションのコメンテーターに招集されたと後から知った。

このアクションの動画があるのでぜひ見て頂きたい。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=OTfAISD-5lc]

<菜の花プロジェクト 大槌町岩手>

真の復興を遂げる道があるのなら
それは今まで私達が常識だと考えた形とは違うのかもしれない・・・

今度は、この体験イベントを雪の降る場所でやりたいと思っている。

私は海の人でなく山のことしかかわりません。といっても山の主でもなく、
環境保護団体の理事でもなく、日本の天然資源の雪という恵を活用して、
地域復興や地域経済の活性化に繋げる事をすべく仕事をしていると思っている。

ただまだその仕組みが出来上がっていない。

現在の資本主義の仕組みの横に、天然資源を活用したサブの雪山資本主義みたいなものを
構築したいと思っている。
それは、地域を主体にして経済が回る仕組み。
雪という天然資源を持つ地域の人々が享受し、既存の経済領域の中でも十分に通用する仕掛けを、
林業の方、農業の方、雪山愛好家から国会議員まで雪山資本主義で造り上げるのが私の夢。

温めてきた事の第一歩を今まさに踏み出そうとしている。