9月初旬のまだ残暑が残る中、一通のメールの連絡が竹内正則から届いた。
今年は少し時期を遅くして、ニュージーランドでAK457のフィールドテストを行うという。
AK457は世界各地のバックカントリーの過酷な状況で最大限効果を発する事ができるよう、BURTONのテクノロジーとJAPANアイディアを融合してリリースされる本格派バックカントリーギアであり、毎年完成度の高いギアをリリースしているにも関わらず、常に変化、進化を求めるギアブランドである。
今回はニュージーランドでのフィールドテストを終えて帰国した、AK457テクニカルディレクターの竹内正則に、今シーズンのAK457について聞いてみた。
1)まず今年のAK457のカラーリングについて、詳しく教えていただけますか?
AK457は「ガイドとして使っている」事を想定し、何がガイドにとってメリットかということを常に考えています。
それは店頭で手に取ってみただけではまったくわからない様な細かいディテールもありますし、この質問のように色にもこだわりがあります。今年のカラーバリエーションのうち、1つははっきりと山の中で目視しやすい色をチョイスするということで、様々な色の中からこのNEON YELLOWという色に決めました。
Rider: Masa Takeuchi@Hikarigahara
スノーボーディングの他ジャンルではもっと違う色も目立つかもしれません。しかし全天候を考慮しなければいけないガイドの立場からすると、このカラーリングが良いという決断に至りました。もちろんヘビーデューティーなガイドの仕事柄、汚れが目立たないTRUE BLACKやSTEEL GRAYもあります。
ガイドとして、またAK457テクニカルディレクターとして日々山へ向かう
2)AK457というとスノーボーダーというイメージが先行しますが
AK457はスタートした時からずっと変わり続けています。今ではスキーやスプリットボードで滑る人も多くなり、様々なニーズに応える必要がありますし、それに応え続ける事ができるのがAK457の強みだと思います。例えばHI-TOP PANTSなどは裾にウレタンラバー補強素材が使われていて、スキーやスプリットボードを使用したときでもエッジに強く、かつ耐久性がある様にR&Dをし続けてきた部分でもあります。
3)先程細かいディテールの話が出ていましたが、今年はどのような進化がありますか?
カタログに載っていない事もたくさんありますが、目立つ点と言えばGUIDE JACKETではハンドウォーマーポケットやCohaesive™システムなどがあげられます。
Cohaesive™システムは厳しい天候に襲われた場合でもフードや裾のフィットを素早く調整できます。これは生地とドローコードを特殊なパーツで繋げているのでとてもスムーズに素早く調整できますし、よりシンプルなパーツとなっています。
またカフクロージャーの形も微妙に進化したり、中に入れてある無線機をポケットの上からでもずれない様に使用できるように、その部分のアウター(表)素材はグリップしやすい生地を使用しています。この様な細かい部分は実際に着て山へ向かったとき、初めて理解して頂ける部分でもあるかと思います。
実際のライディングにも密接に関わる細かいディテールが随所に込められている
もちろんAK457の大事なコア部分である「フィッティング」も常に変化しています。常に変わり続けるフィールドや他の使用するプロダクト、ライディングをトータルに考えたAK457のフィッティングは他のブランドには無い快適さと機能性、スタイルを皆様に提供しますし、自信を持ってお勧めできます。
4)AK457は毎年完成度が非常に高いにも関わらず変化しつづける理由はなんでしょうか?
ここは個人的な部分も入るかもしれませんが、短いスパンで「完成されたプロダクト」だと胸を張って言う事ができます。しかしガイドという立場から考えると、使用するスノーボード、バインディング、ブーツ、ビーコン、無線機などのギアは常により使いやすく、より動きやすくリニューアルされていきます。
その結果、ライディング自体にも変化が出てきますし、ガイド同士でのコミュニケーションの方法も変わってきます。そうなった時に今までの完成されたウエアーはまた次のステップに移行しなければいけないタイミングになってくる訳です。だからAK457は常に完成されたギアをさらに次にステップへ押し上げる為に、常に進化を止めずに変化しつづけます。
スムーズなライディングかつ1本のラインを芸術的に表現するMasa Takeuchi
5)今年もニュージーランドでフィールドテストを行ったようですね
はい。今年のシーズンは主に2015-2016モデルのジャケット、パンツやインナーレイヤーのフィールドテストをメインに行いました。皆さんの手元に届くまで、ウエアー等のトータルのプロダクト制作時間は非常に長いものになります。ある程度出来上がってきたプロダクトを、夏の時期にリアルなフィールドでテストします。ここからさらに修正、変更を繰り返します。翌年までに自信をもってリリースできなければAK457プロダクトとは言えません。
ニュージーランドでは過酷な条件でフィールドテストを行い、AK457プロダクトを更なるステップへ引き上げる
6)AK457はウエアーのみでなく、バックパックも非常に好評とお聞きしましたが
そうですね。実はAK457のBACK PACKはBURTONには無いデザインとなっています。ただ色や素材を変えただけの同じパターンではありません。そして実に細かいディテールや使用感にもこだわりがありますす。
例えばサイドポケットに関しては片方がメインにアクセスできる様になっていて、片方はウォーターボトルを入れれる様になっていたり、滑る時やガイドとして使用する時にその1日を想定してファスナーの位置、方向なども変えていたりします。ハーネスもよりしなやかにフィットする素材を使用しています。そしてスノーボードを固定するストラップは、使用しない時には綺麗に収納可能で、ライディングにも邪魔になる事はありません。実際殆どのガイド、ライディングで僕はこのAK457 BACK PACKを背負って滑っています。
どのようなフィールド、シチュエーションでも最大限の快適性と機能性を提供するAK457 BACK PACK
7)竹内さんプロデュースのHIKARIGAHARA CAT TOURもスノーボーダーというカテゴリーにとらわれずスキーヤーにも年々認知され広がりをみせていますね
そうですね。ここ数年は特にそのような傾向が見られます。ガイドとしての知識、経験、スキルも年々進化してきていますし、サービス自体も常に参加される皆さんに満足頂ける様、毎年新しい事を取り入れています。
HIKARIGAHARA CAT TOURでは素晴しいガイドチームとともに最高の一日を提供する
また、このフィールドはAK457のプロダクトテストとして重要ですし、AK457のファンの方なら来期のプロダクトを着ているガイドにも遭遇する楽しみもあるかもしれませんね。
AK457が変化し続けるその裏側には膨大な日々のフィールドテストとJAPANスピリットが込められている
毎年ハイレベルの完成度でリリースされるAK457が、止まる事無く変化、進化し続ける理由は、ギアだけの完成度だけではなく、スノーボーダーやスキーヤー、そしてガイドなど、様々フィールドのニーズに対応しながら、より快適に進化しているからだ。本格派バックカントリーギアブランドは多数あるが、ここまで滑る側のニーズ、変化に対応できるのはJAPANスピリッツが隅々まで浸透しているAK457ならではではないだろうか?
リニューアルしたAK457のオフィシャルウェブサイトでは、AK457ギアの細部やライディングショットが掲載されている。進化したAK457ギアの数々をオフィシャルウェブサイトで確認してほしい。そして店頭で「完成されたプロダクト」を体感することをおすすめしたい。
AK457オフィシャルウェブサイトはこちらから
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