THE UNTOLD STORIES / FLUX BINDINGS
日本発のブランドでありながら南カリフォルニアにも拠点を置くFLUXバインディング。1992年のブランドスタートから現在に至るまで、変化と進化を繰り返すシーンのトレンドを的確に捉えてきた。そうして誕生した時代時代のムーブメントにフィットするプロダクトたちは、優れた開発技術と、ライダーやユーザーの“いま”に寄り添うブランド姿勢の賜物だ。
2016-17シーズンのニューモデルXFも現在のシーンにフィットするバインディングとして誕生した。フォーカスしたのは、いま世界中で盛り上がりを見せている“カーヴィング”。
最大の特徴は新たに設計された「Transfer Base」。従来のベースよりもトーとヒール側を外側方向へ伸ばしボードとの接地面積を広く確保したことで、四方のコンタクトポイントが加重時のパワーをロスなくボードへと伝えることができる。試乗したライダーの感覚としては、足下から一番遠いトー側のエッジをしっかり踏めていることを露骨に体感できると言う。これは面圧測定器を用いた検証でも明確に実証されている。
また「Transfer System」というトー側の外から内へ設けられたレールが、踏み込みのパワーをエッジ際に集中させる役目を果たしていることも測定によって明白となった。そしてこのシステムはヒールサイドへの加重時にトーサイドを引っ張り上げる役目も果たし、鋭い切り返しにも効果を発揮する。
要するに「Transfer Base」を採用した新しいXFは、ボードの隅々までをインコントールすることで、有効エッジの全域を使う安定したカーヴィングを可能にしてくれるバインディングと言える。同時にこれらの特徴がエッジに限らずソール全体へ働くことから、オーリーやプレス時に面のどこを踏んでいるかをはっきりと体感もできる。
日々、様々な環境で滑り続けるFLUXライダーとユーザーのフィードバックから生まれたこのニューコンセプトモデルは、“いま”のシーンにフィットしたライディングをネクストレベルへと導いてくれるだろう。ひとつ上のスピード域を求めるライダーにはぜひとも体感してもらいたいバインディングだ。
XFPrice: ¥39,000(税別)

トーとヒールの外側へ伸びた4点のコンタクトポイント。この接地面積の広さが加重時の力を隅々まで伝える
・TOE EDGE TRANSFER SYSTEM:(オレンジ)
従来までは設けていなかったトー側のレール。トーエッジ際にパワー伝達を集中させ、ヒール側への引き上げに効果を発揮
・theGnar POINT SYSTEM:(キイロ)
足裏で力のかかる母子球下の面接を広げることで、少ない力で確実なエッジングを可能にする

ハイバック上部の面積を広くしヒールサイドのパワー伝達を高めつつ、センターのスリットでねじれ方向への動きに対応。ヒールカップの外側を高くすることで、オーリー時のパワー伝達の効率を上げ、ランディング時のサポート力を高めている。また内側は外よりも低く、ひざを内に入れやすい。パワー伝達に優れた性能と、トリックでの絞りやスタイルを入れやすいフレキシブルさを保つ工夫が随所に織り込まれている

これはトーエッジに掛けた力がどこまで・どれほど伝わっているかを示していて、赤色がもっとも圧力が強い。パワーの伝達はノーズからテイルまで幅広く、またエッジ際に集中することがこの図から確認できる