小学生になる前から板を履き、いつも周りには多くの有名ライダーがいるという恵まれた環境で育ってきた戸田真人。小さい頃からスポンサードされ、多くの映像に出演し、長く日本のシーンで名前を知られているマサトも21歳を迎えた。今シーズン、新たな活動に踏み出すべく動き始めたマサトにいまの思いを聞いた。
マサトのスノーボードのキッカケは?
キッカケは、親の影響ですね。先に兄貴のマサキ(戸田聖輝)がどっぷりハマってた感じです。初めて板を履いたのはすごいちっちゃい時でいつっていうのは覚えてないんですけど、始めたばっかりのときは、あんまりスノーボード好きじゃなかったんですよね(笑)。その時は、全然滑れなかったし、「しんどいわ」って。で、小学校上がる時くらいから徐々にやっぱりスノーボードやりたいなってなって、本格的に始めたのはそこからです。
その時は、SCLOVERの立ち上げメンバーでもあるサトシ(島田 聡)くんとかとよく一緒に滑らせてもらってました。「スタイルってこうだろ」っていうのを目の前で見せてもらって、おもしろい遊び方とか、スキルだけじゃなくて考え方とかをSNOVA溝の口と石打丸山スキー場で仕込まれましたね。自分は小さい時から、ずっとスノーボードしかしてないんですよね(笑)。小学4年の時に初めてスポンサードされてライダーとして活動しはじめたから、冬の間は長い期間山に行くっていう生活。SCLOVER全盛期の時に自分も一緒にいてかなりいい環境でスノーボード出来てました。親も「好きなことやりな」って応援してくれたし。
その時はどういう感じでスノーボードをしていたの?
あの時は、ただただスノーボードが楽しかったって感じですね。サトシくん達がやってたのが、大会とかじゃなくて映像で魅せるっていうことで、オレもそれに憧れてました。幸運にも周りにいた人たちから撮ってもらえる機会をもらって、CK4VMとかSCLOVERのLOVE LIFEとかに出してもらってたんです。小さいながらも自分のやりたいことは見えてました。映像の世界って、自己満足をどれだけ追求できるかだと思うんですけど、何をやるにも周りの仲間と楽しくやれてたからあの時は最高でしたね。
やっぱり、海外や日本の映像を見て影響を受けたの?
いや、それが俺全然映像とか見てないんですよ。だから、スノーボードに対してすごく無知なんです。兄貴はめっちゃ見てたんですけど、オレはそれを横目で見てるくらい。昔から、あんまり周りに興味がない方なんですよ。だから、今レジェンドの人の名前言われても全然わかんない。日本の映像で見てたのは、最初のビデオテープの時のSCLOVERだけかな。海外はほとんど見てなくて、見たのはTECH NINEとかFORUMの「THAT」くらい。でも「THAT」にはマジでしびれましたね。
石打にいた時はずっとパークを滑ってた?
そうですね。ほぼパークです。サトシ君とかにも基礎はフリーランだからって言われてて、フリーランもするようにしてたけど、やっぱりパークが面白かったらほぼパークを滑ってました。1〜2本山頂から流したらパークみたいな。
ストリートをやり始めたのはいつ頃?
ガッツリストリートをしたのはSTONPの時が初めてです。まだ俺が16くらいの時、1回ストリートをやったことあったんですけど、その時は全然出来なかったですね(笑)。それから何回かちらほらやってたけど、本格的に始めたのは17か18の頃です。だから、ストリートをやり始めたのは意外と最近です。
マサトも21歳になって最近は、同世代のライダーも出てきたよね?他のライダーと絡みはあるの?
リョウキくらいです。小さい頃からずっと一緒に滑ってて、リョウキがウィスラー行ってからも帰ってくるタイミングで滑ったり。他は、基本Dirty Pimp周りの上の人とばっかりでしたね。イケてるライダーの人たちといて、いろんなもの見せてもらいました。最近の同世代のライダーとは、ちょっと考え方が違うのかなとは感じますね。オレはずっと大人の人に囲まれてやってたけど、周り見回したら、ここ2年くらいで同世代のスノーボーダーがいっぱい出てきた。あんまり絡みはないけど、せっかく同世代だから一緒にやれることがあるならやりたいなとは思います。同じレベルで一緒にやれるならっていうのはあります。
今までだいぶ恵まれた環境だったんだね?
小さい頃から、周りに良いライダー、カメラマン、フィルマーがいるってなかなかない環境ですよね。そのおかげで、小さい頃から名前を知ってもらっていた。でも、今は自分の中でちょっと焦らないとダメだなっていう気持ちがあります。もう人生の半分以上スノーボードをやってるんで、そろそろ世界に向けてインパクトを与えられるようなもの残さないとって思ってます。STONPとやった時は、カズ君のおかげで海外にもアピールできて気合が入ってたけど、自分で自分のパートを見返すと「微妙だなー」って。毎年そうなんですけど、満足したことなくて。それもあって、自分の中でそろそろヤバイなっていうのはありますね。周りは「良いね」って言ってくれるけど、自分の中ではもっとヤバいの出来るでしょみたいな。海外のストリートと比べたら日本なんてまだまだなんで。ハーフパイプやスロープスタイルは世界に追いついてきているけど、ストリートだけは全然ついていけてない。5〜6年くらい前の海外の映像見ても、今の日本でストリートやってるやつよりそっちの方がヤバい。自分たちがやってるのが遊びに思えてくるレベルなんです。長谷川 篤くんが向こうでもヤバいって言われてるけど、篤くんだけに日本のストリートシーンを背負わせられないでしょって思ってます。俺ら下の世代がもっと上げていかないとって。そこは自分がやってやりたいなと思ってます。
先シーズンは本国のadidas Snowboardingのクルーとも撮影したよね?撮影はどうだった?
色々感じたことはあるんですけど、まずはあいつらのストリート慣れ、経験値がスゴかったですね。すぐキックアウトされるってわかってても、2〜3回トライして映像を残していく。そういうのをいろんなスポットでやってて、そりゃあそんな動き方すればルイーフ・パラディスのフルパートみたいなヤバい映像できるなって。ストイックな姿勢がとにかく衝撃でした。それを見てから自分たちの姿勢を振り返ったら、かなりゆるかったなって思いましたね。世界トップのルイーフとかの動きを生で見れたのは、すごく刺激になりました。その中で、ここまで出来るようになれば世界のその舞台に近づけるのかなっていうのが見えたのは自分の中でも大きかったです。
adidas SnowboardingのTACTICAL ADVを使ってみてどう?
いや、あのブーツはめちゃくちゃ調子いいです。今まであんなにテクノロジーが詰まったモデルって履いたことなかったんですけど、バッチリですね。BOOSTフォームのクッション性がすごく調子良くて、ストリートのハードなストンプ、パークのライディングでしっかり衝撃を吸収してくれるから1日中滑っていても疲れないんですよね。自分は少し大きめのサイズで履いているんですけど、今シーズンのモデルからかなりフィッティングも良くなっているので、気に入ってます。
ウエアの印象は?
GREELEY JACKETっていうモデルを着てるんですけど、あのウエアはかなり気に入ってます。ああいうゆったりと着られるタイプのウエアがすごく好きで。LAZY MAN PANTは家に帰って、ブーツを脱いだら履いたままリラックスできる。いい意味でウエアの感覚がないっていうか、本当に普段着のような感覚でストレスがないです。自分は縛られるのがすごい嫌なのですごく動きやすいのが良いんです。インナーがないから寒いかもと思われるけど、ゲレンデクルージングならまったく問題ないし、ごわつかないのもポイントです。クラシックな3本ラインも好きです。
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目指しているのは世界で名を残すスノーボーダー?
そうですね、小さい頃からそれは思ってて。あっちの一般スノーボーダーが選ぶ好きなライダーとして名前が挙がるくらいにはなりたいと思ってます。カズくんとかはそんな感じだから、そこまでやらないとなっていうのはありますね。人生の半分以上をスノーボードしてきたっていうのがデカくて。それしかやってないのに、それが中途半端ってのはダサいから。やれるとこまでやっていきたいですね。ここで終わりたくないんで。
今シーズンの予定は?
実は、今シーズンからちょっと動き方を変えようと思ってるんですよね。狙ってるのが海外だから、出来れば海外でも撮影したいし。今シーズンは自分にとって新たな挑戦の年になります。理想は、ガッツリ映像撮りためて、その中で海外での撮影にも参加できれば最高です。全て自分次第ですね。前は撮影してくれる環境があってやれてたけど、その環境を自分で作っていく。不安もあるけど、ここでやれなかったらグズグズになるだろうから、今シーズンが勝負です。