SBNスタッフうっちぃの新潟・苗場スノーボードトリップ記。もう7年も新潟県の苗場スキー場をホームに滑っている生粋の苗場っ子、佐藤涼子から遊び方を伝授してもらいながらスノーボードを満喫した1日をレポート。
朝から晩まで、思う存分スノーボードしたいなぁ。
大雪だオリンピックだと、雪マニアの心をくすぐる2つのニュースに世間が沸く1月のとある日、仕事に忙殺される日常の中でふとそう思った。思ったらいてもたってもいられない性分・・・。
よし、次の週末は新潟へ行こう!!
その週末 新潟で私を迎えてくれたのは、SUBTLEのライダー佐藤涼子。彼女は、もう7年も新潟県の苗場スキー場をホームに滑っている生粋の苗場っ子だ。きっとローカルならではのおもしろい遊び方を知っているだろう。ぜひとも、彼女から「苗場スノーボーディング」の極意を伝授してもらいたい。そんな期待に胸を膨らませながら、苗場に向かった。
今年の新潟は、連日トップニュースになるほどの大雪である。決して手放しでは喜べないこともたくさんあるけれど、何はともあれ、やっぱり私たちスノーボーダーにとっては恵みの雪、である。
この日も事前に涼子ちゃんに電話をかけて、雪はたくさん降ってますか?と尋ねたところ「降ってる降ってる。毎年ここに来るけど、今年は、ここはどこ?って感じだよ。いつもと風景が違って私も驚いたくらい」と返事が返ってきた。雪が降ってる、と聞くだけで心がウキウキと躍りだす。スノーボーダーってホントに単純な人種だ。
さてさて、うわさにたがわず雪の豊富な苗場スキー場に到着。今日はこのでっかいスノーリゾートを丸一日遊び倒すぞ!そんな気合が、私たちを朝一からゲレンデへ駆り立てた。
まずは、どうしても体験したいことがあったので、涼子ちゃんを誘ってみた。
その体験というのは「ファーストトラック」 朝一のグルーミングバーン(圧雪バーン)へ誰よりも早くドロップできる・・・という話を聞いている。
パウダーも大好きだけど、圧雪のきれいにかかったバーンを独り占めできちゃうという苗場のこのサービスが以前から気になっていた。これはトライするしかないってことで、ファーストトラックを目指して朝7時30分にゲレンデへ向かった。
最高の1本を満喫したあと、涼子ちゃんとモーニングカフェタイム。
長年、苗場にすむ涼子ちゃんにとっても、この「ファーストトラック」は初めての体験だったらしい。二人とも、つい今しがたまで味わっていた興奮の余韻を引きずりながら温かいコーヒーで、一息ついた。
SBNスタッフ うっちぃ(以下◆):朝一から滑るのって本当にに気持ちいいですね。
佐藤涼子(以下●):もう、自分のことしか考えられなくなっちゃうよね〜。
◆特に私みたいなサンデーボーダーだと、こんな誰もいない朝一バーンなんてめったにないんですよ。一番のり目指してがんばってみても、やっぱり土日だとみんなファーストトラックを狙っているから同じような人がいっぱいいるし。次から次へと来るから競争で、今日みたいにゆっくり満喫って絶対にありえないんです。
ゲレンデ独占状態だと、なぜかヒロインになってステージに立ってる自分を客席から見てるみたいに、自分のかっこいい姿がかなり鮮明に見えてきますね。自分の滑ってるイメージすごいですよ、かなり(笑)
これって、すごくイメトレになりますよね?
●なるなる、それでちらっと後ろを見たら自分がカービングしたラインがはっきり見えて。それが、朝一のバーンだと、いつものゲレンデとはまた違う足の感触が伝わってくるじゃない。それがまた・・・気持ちいいよね〜。
◆私は、あのヒンヤリした朝の風をきる瞬間がたまらないです。「私が世界の中心」って具合になります。何も邪魔するものがなくて、自分の思うとおりのラインを思いっきり滑れて。何もかもが思い通りです!
●昼間のバーンもおもしろいし、パウダーも気持ちいいけど、またそれとは違った感触が足から体全体に伝わってきて、あのちょっと微妙なボコボコッていう圧雪車の跡が実はすっごく気持ちよかったりするんですよね〜、ほんと貴重な感覚ですよ。
◆端にたまっているパウダーもよかったですね。私、個人的に端が大好きで・・・端にたまったパウダーを堪能してから、ポンって圧雪されたバーンに戻るときの感覚の変化が好きなんですよ、マニアックですけど。
●うんうん、出たり入ったりね。ぐ〜っと脇を回って、またこっちに出てきて、みたいな。両方味わっちゃう。
あと、「大斜面」はバーンが開けてて気持ちよく滑れたね。朝って空気が澄んでいて景色がすっごいキレイでしょ。だからなんていうんだろう、得した感いっぱいで。なんか得した気になりません?
◆なります、なります。
●なんか早起きしてよかったーって。
◆ちょっとだけ早起きして誰も滑ってないバーンにラインを残すだけで・・・
●満足感が違いますね、その日一日の。今日一日良かったなって、終わってないのに・・・というか、今日はまだこれからなのにそんな風に思っちゃったりして。だからファーストトラックって最高の時間ですよね。
◆確かに!普通に8時くらいに到着して準備して9時くらいに滑り始めて夕方まで滑るのと、午前中しか滑れないけどちょっとがんばって朝一から滑るのと、どっちか選べって言われたら究極の選択ですけど、午前中だけでもいいからフレッシュなバーンを滑らせてって言うかも。
●それだけの濃さがある気がする。その朝一って。雪もしまってて朝って本当に気持ちいいし。
◆結局 朝一から滑っても、夕方までずっと滑っちゃうんですけどね(笑)
といいつつ、今のファーストトラックのコースは結構 長かったですね。トレーニング不足の私なんか、1本ですでに足が疲れてきてしまいました。
●ですね、かなり満足できる距離あった。滑るんだったらスピードあげてビンビンに行くよりも、1本を程よいスピードで下界の景色を楽しみながら、サイドのパウダーに寄り道したりしながら、その1本を満喫した方がファーストトラックとしての醍醐味があるような気がしますね。なんか「私 風を受けて滑ってます」ってのが気持ちいい。
◆それこそ「クルージング」って感じですね。
●そうそう。
◆こんな話をしてたら、また滑りに行きたくなってきちゃいました。(二人とも大笑いしながら)
●じゃあ、こんどはゲレンデ探検でも、行きますか?
ここからはローカルである涼子ちゃんが、普段は彼女のキャンパーさんだけにしか教えないというシークレットポイントを特別に案内してくれた。
●まずは、プリンス第一ゴンドラに乗ってチャレンジコースから火打方面に下ります。
ドラゴンドラへ向かう看板がずっと出てるんですけど、それに沿っていくとドラゴンドラの山麓駅まで行けるんですよ。このコースがかなり長くて、メインのコースよりも全然空いているんで、結構スピードにのってガンガン攻められますよ〜。こっち行きましょう。
◆これは滑りごたえがありそうなコースですね!
●で、火打第1高速ゲレンデとホテル前のメインゲレンデが合流するあたりにちょろちょろっと木がまとまって生えてるんですけど、広めの感覚で木が何本か立ってるようなところの間を抜けて何ターンかできるようなところがあるんです。ツリーランっぽく。(★1)
ツリーの間を滑るって言っても、どっからでも合流できるんで、このあたりの好きなラインをチョイスして滑れますよ。
ツリー初めての人もよく連れてってあげるんですよ・・・プチツリー体験って感じで。
◆初めてチャレンジするならこれくらいの感覚が嬉しいですよね。ツリーランって憧れるけど、普通は滑れない場所だし、たとえ憧れてバックカントリーツアーに行っても怖くていきなりできるようなものでもないですし・・・
●そうそう、勝手に滑るのは本当に危ない。
◆感動するんですよね、初めてツリーランしたときって。ツリーランといってもちょっとした木の間というくらいなんですが、私も初めて体験したときは、それでもすごく感動しました。キャンパーさん達もそんな感じですか?
●そうなんですよ!「ここ行けるからついてきて〜」みたいな感じでついてきてもらうんですけど、このバーンは全然狭くないんで、すごく気持ちよく滑れるんですよ。
◆そうですね。
●で、途中から初心者用のアトラクションがあるので(火打スノーランド)、ここに入りながら。
ここは、雪の斜面と同じように滑ればクリアできるくらいのウモレイル(雪に埋まっているイージーレイルのことをこう言うそうです!!)があって、パーク初心者でもトライできるんです。そのまんままっすぐまっすぐ向こう側を見て通ればレイルを抜けられたよ!っていう感じに通り過ぎれるくらいのレイルなんです。でも、やっぱり滑る感覚が雪とは違うじゃないですか。だから「あ〜、なんかいつもと違う変な感じ」って、これがまた新鮮で楽しいみたいです。普段は入る勇気が出ない、きっかけがないっていう人を連れてきてあげると、初めて入れて楽しかった、これからはもっと練習してみようかなって言ってくれたりして、それがパークを始めるきっかけになる人もたくさんいてとても嬉しいんです。
●じゃあ次は、火打第1ロマンスリフトに乗って、パークに入らずに右っ側に降りて行きましょう。火打第1高速リフトの乗り場へ向かう途中のちょうどリフトの下をくぐるあたりに迂回路みたいに細くなっているところがあるんだけど、道なりには進まずに、この迂回するところでまいて降りると、落ち系で軽く飛べるんですよ。(★2)
下のリフト乗り場に向かってショートカット地形になってるんで、そこからぽんって飛んでリフトに乗るって感じですね。普通にどっからでも落ちれる地形になっていて、パウダーだとかなり気持ちよく滑れるんですよ。すごく見晴らしがいいから安全だし、すぐにリフト乗り場に出られるから埋まることもなくて調子いい場所です。
◆落ち系のギャップは楽しいですね。浮遊感を感じやすいし、こういう簡単なギャップを練習することでバランス感を鍛えるトレーニングにもなって、スノーボードに乗るという感覚が研ぎ澄まされるような気がします。
●そのまま火打第1高速リフトに乗りましょう。今度は火打第2ロマンスリフトに乗りついでここがかなりお気に入りなんですよ。
このリフト、雪が降ったときしか動いてないんですが、今日は動いていてラッキーです!
(注:火打第2ロマンスリフトは営業日が限られています。営業日はスキー場へ直接お問い合わせください。)
火打第2ロマンスリフトを降りたら一番左のコースを下りますよ。それで、途中で右側にドラゴンドラの山麓駅に向かうわき道があるんで、そっちへ行きます。ここが、軽く沢みたいな地形でボウル型になってるんですよ。(★3)片側は木が生えて入れないんだけど、もう片面が壁になってて。ハーフパイプの壁みたいな感じで、ここで登ったり返したりしてかなり遊べる!
◆このコース、すごく気持ちいいですね!!
◆ところでこういうシークレットポイントって、どうやって見つけるんですか?
●それはね〜、あそこ行ってみようか、ここ行ってみようかって。
◆探検するんですか?
●そう、やっぱ全然知らないとこだととりあえず探検。探検心って大事なんですよ、ほんとに。そうしないと新しい発見に出会えないから。
で、見つけたりとかすると、内緒にしちゃってたり(笑)、「いいとこみつかっちゃったんだよな〜」って、自分の中で・・・
◆優越感にひたって、こっそり楽しむんですか?
●そう、そういうときもあるし、仲のいい仲間内でお互いに全然違ったとこを探検してきて、こっちもいいとこあったんだよって情報交換したりもする。それで次に行ったときに一緒に滑りあったりとかもできるし。いろいろな場所へ行って知らないところを滑るのって、ホントにおもしろいんですよね。
こんな風にして、私たちは日が暮れるまで涼子ちゃんのオススメポイントを遊び倒した。大満足!こんなに遊んだのは久しぶりな気がする。今日、来てよかったな・・・。
帰る準備を始めていると、涼子ちゃんが「苗場の夜景って見たことある?」と一言。
苗場の夜景?スキー場で夜景なんて聞いたことがない。スキー場って山の中にあるから、夜になったら真っ暗なんじゃ・・・。
ところが苗場、湯沢地区はリゾートマンションがたくさんあり、苗場スキー場もナイトイルミネーションで飾り付けられているから、隠れた夜景スポットなんだそう。
それは行ってみたいということで、二人で夜のプリンス第2ゴンドラに乗り込んだ。目指すは「レストランプリンス」。さすがプリンスホテル直営のレストランというだけあってゴージャス。ウェアを脱いで私服に戻ってここから夜景を眺めていると、もうゲレンデにいるということを忘れちゃいそうになる。もっとおしゃれしてこればよかった・・・なんて、ちょっと後悔。山でこんな夜景を楽しめるなんてまさか思ってもなかったから、すっかり山仕様のラフな格好で来ちゃった。
「たまには、こうやってゆっくりしてから帰るのもいいでしょ?」と涼子ちゃん。確かに!滑り終わってすぐに帰路に着くと、みんな同じ時間に下るから結構混んじゃったりする。もしもこうやって優雅な気分でくつろいで道路が空いたくらいに帰ったとしても、結局東京に着くのが同じくらいの時間になるようだったら、こんなにラグジュアリーな気分で夜景を楽しんだ分、かなりハッピー度がアップしたんじゃないだろうか。
最後に思わぬおまけ付きで、満足度もマックスまで急上昇中。
苗場スキー場のようなメジャーなスキー場にも、まだまだ私の知らない素敵なスポットが、こんなにたくさんあるんだ、と実感した1日となった。
皆さんも次の週末は、 新しい発見を求めてこのスノーリゾートに足を運んでみるというプランを立ててみてはいかがでしょう?
Last Update:2006/02/07
コンテンツ提供:Mt.Naeba
navigator:佐藤涼子(rider)
text:うっちぃ(SBNスタッフ)
≪苗場プリンスホテル宿泊プラン≫
□■ TOPICS ■□
涼子ちゃん一押しの新潟土産は・・・やっぱり日本酒!!
「新潟と言えば日本酒でしょ。」
涼子ちゃんはいつもお店の人においしいお酒を教えてもらって、利き酒をしてからどのお酒を買うか決める。
そんな涼子ちゃんのオススメのお土産スポットは、苗場プリンスホテル4号館LBFにある「百蔵七」
今回も早速店長さんオススメのお酒をお味見中・・・♪
お土産ではなく、自分のために選んじゃいそうな勢いデスケド。
佐藤涼子
常にガールズスノーボードシーンのトップをいく女性ライダー。
シーズンオフはヨーロッパ中心に撮影&トレーニングで海外遠征。
日本のシーズンは苗場浅貝をベースに大会、キャンプ、イベント、撮影などの活動をしています。
その他ウェア、板、ストリートなどのデザインにも携わり幅広く活動していますので是非チェックしてみて下さいねっ!
涼子ちゃんのライディングは、LILのビデオで見ることができます。
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