特別企画のスペシャルトークセッション!ゲストには雪番長で連載されていた小説「CARPEDIEM」の作者SNOWonSNOWさんをお招きしました。 スノーボードをテーマにした小説「CARPEDIEM」。愛読していた方も多いのでは?
かく言う私も愛読しておりました。
2月に一旦連載を終了したこの小説ですが、ついに6月2日から雪番長での連載再開が決定したそうです!!
今回は連載再開に先立ち「CARPEDIEM」誕生のきっかけと、作品に込められた想いなんかを、私Mr.が探ってみようと思います。
CARPEDIEM作者:SNOWonSNOW(以下「S」)
聞き手&イラスト:Mr.(以下「M」)
M 雪番長での連載楽しく拝見していましたよ。
S ありがとうございます。
M さて、まずはご存知ない方もいらっしゃると思いますので小説「CARPEDIEM」について簡単に説明しますと、おそらく業界初と思われるスノーボードをテーマとした本格的な携帯小説として、携帯サイト雪番長に昨年11月から約3ヶ月半に渡ってほぼ毎日連載されていましたね。
S はい。でも実は、はじめSBNのマイページで書きはじめたんですよ。
M ええ、チェックしてましたよ。
S 最初はドキドキでした。こんなつたない文章に反応してくれる人がいるのかなって。
M いえいえ、つたないなんて。反応しまくりでした。
S マイペの皆さんからもたくさんのコメントいただいて嬉しかったですね。それで少なからず手応えを実感できました。ただ、マイページっていう限られたエリアで終わらせたくないなって思って、自分のブログで公開したりと、試行錯誤してましたね。
M 10月ぐらいでしたっけ?スクローバーの田中しんじくんや聖輝くんとか、そうそう天池いずみちゃんのブログでも話題になってたよね。その頃ですか?雪番長での連載のオファーがあったのは。
S そうですね。すごく嬉しかったんですよ!雪番長って私たちの周りでも見てる人多いし、けっこうライダーも見てますよね?やっぱりブログで連載するのと、きちんとしたメディアで連載するのとでは、気持の入り方が違いますしね。
M なるほど。で、反響は?
S たくさんの人から応援していただきました。雪番長で更新するごとに、SBNマイページやmixiの方にも色々コメントいただいて、「ああ、ちゃんと見てもらえてるんだ」と実感できて嬉しかったですね。
M 2月に一旦連載が終わった時は、そうとう反響があったでしょう?
S ええ、やっぱり続きを書いて欲しいっていうご要望が…。
M 僕も一読者としてそう思いましたもん。
M なんでこの小説書こうって思ったんですか?
S 私、会社員しながら某ショップのライダーやってるんですけど、プロのライダーにはなれないなっていうか、技術的な限界を感じたんですね。でも、何かの形でスノーボードに関わっていたいって思ってたんです。ショップの店員もそうかもしれないし、ビデオ作る人も、それぞれの形でスノーボードに関わってますよね。私の場合は、その選択肢の一つが小説だったんです。
M ライターとか編集者じゃなくて小説家。
S 私、文章力には自信ないんですよ。でも妄想っていうか、物語考えるのは好きなんです。元々マンガが好きで、このお話も絵の才能があったらマンガにしたかったくらいで。
M そうそう、なんかマンガの感じだなって思ってた。プロローグのところなんてなんか少女マンガ的というかカワイイ感じの絵が見えてくるんだよね。
S ちょっとベタですかね?でも私けっこうスポ根ものが好きで『キャプテン翼』とか『スラムダンク』とかメチャメチャ好きですね。
M あ〜、なんとなくそういう匂いはするよね。
S でも、スノーボードを題材にしたマンガとか今はないじゃないですか?マンガは書けなくてもマンガの原作なら書けるかもってかんじではじめたんです。
M なるほど!描いてもらえるとしたらどんなマンガ家さんに描いてほしいかな?
S もしも井上雄彦さんに書いてもらったらまたスノーボードブームが来ますよ!
M それは来る!!しかしまたすごい夢だね。井上雄彦ホントに描いてくれないかなぁ…。でも成り行きによってはいきなり映画化ってのはありかもよ。最近多いじゃん、アレとかアレとか…。
S あ、それもすごいですねぇ。文章書いてて、このシーンが映画になるとしたら…なんて想像しながら書いてる時もあります。
M 映画やマンガにするならもうちょいドラマチックな展開がほしいかな〜。
S それ、他の人からも言われました。
M でも逆にスノーボーダーにとっては等身大というか、共感というか、感情移入しやすいのかも。
S ホントの小説家の方なら、経験したことないことも取材と文章の力で紡ぎ出せると思うんですけど、なに分素人なもので経験したことじゃないとうまく書けなくて…。
M その分リアリティがあっていいのかもよ。ちゃんと滑れる人が書いてるんだなぁってニュアンスとか節々に感じられるし。でもやっぱりマスを意識するともうちょっとドラマがほしいな。
S それはこれからの展開で…。
M ところでタイトルの意味って『CARPE DIEM(カルペ・ディエム)』ラテン語で『今を生きる』って意味ですよね。
S よくご存知ですね。
M ググりました(笑)。で、それの意図するところは?
S 実は私、ネーミングとかのセンスがなくて、知り合いだった某ギャラリーのオーナーさんにこの小説を読んでもらって、それで頂いた名前なんです。
M その方、かなりオシャレなセンスしてますね。ちょっとわかりにくいけど。
S でも、意味を教えて頂いた時に、すごくクリアに入ってきたんです。私、一時期会社を辞めて越後湯沢方面にこもってた時期があって、世間的に言えばドロップアウトなんですけど、でもその時しかない今を生きるっていう想いが強かったんです。実際、その時に経験したこととか出会った仲間って、とても大切な宝ものなんですね。この小説だってその頃の思い出があったから書けたと思うし。
M なるほど、なるほど。それって僕なんかからするとすごいうらやましいことですね。スノーボードはじめた時にはすでに家庭があったから…。でも、こもり経験のある人とか、特に今プロのライダーとしてがんばってる人たちにしてみると、身に覚えがあるというか、共感できる部分って多いのかも。
S そういう思い出とともに読んでもらえたら嬉しいですね。でもMr.さんみたいにこもり経験のない人にも、受け入れてもらえるように書いてるつもりなんです。
M うん、わかるよ。例えば、シンジの「僕は…スノーボードが…嫌いになったのかもしれない…」って台詞なんて、ズキンと来たね。ホントに嫌いになった訳じゃないんだけど、はじめた頃感じた衝動とか情熱が薄れたように思える時期ってあって、そんな時の心情っていうのかな?
S そうなんですよ!やっぱりわかりますか?
M うん、自分の場合は一緒に行く友達がいなくなった時とか、滑りに対する向上心がなくなった時期とかに思ったかな。人によって色んな要因があると思うけど、なんか見失う瞬間ってあるよね。
S まさに私もそうだったんです。そして、そのモチベーションが戻ってくるきっかけが、仲間の言葉だったり、がんばってる姿だったりして。
M そのままモチベーション失った人たちもいると思うよ。今やってる人たちだって時々思ってるかも。でもまたスノーボードが楽しくなるきっかけは色々ある。
S スノーボードやめちゃった人にも、この小説を読んでもう一度やってみようって思ってもらえるとしたら嬉しいですね。
M ステキです!
S ありがとうございます。
M さて、いよいよ第三部が連載開始ということですが、成長したシンジが見られるのかな?
S それは読んでからのお楽しみと言うことで。
M 毎日の更新が楽しみです。連載がんばってください。
S また応援してください。
SNOWonSNOWさんの経験、そしてそこから生まれた想いを紡いで綴って生まれた「CARPEDIEM」。それを世に送り出すきっかけとなったのがSBNのマイページだったというのは嬉しい限りです。
文章を書く人、絵を描く人、ライディングで魅せる人、想いを形にする方法は人それぞれ。今後も色々な表現が生まれて、それを見て感じる人がつながっていく、そんなSBNでありたいと改めて感じた対談でした。
それではまたどこかでお会いしましょう。
Cheers,
Mr.